Sony Tabletは“ヒーロー”でなければならないこれからの時代を象徴する製品(1/2 ページ)

» 2011年04月28日 11時11分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

Sony Tabletは最もソニーらしさが詰まった製品になる

質問に答える鈴木国正氏。インタビューはグループ形式で行われた

 4月26日にソニーから発表された「Sony Tablet」だが、まずは世界に向けての開発表明ということもあり、発売は2011年秋と先の話になる。価格をはじめ、細かいスペックやサービス関連も現時点で未定だが、このあたりの事情や、なぜ2モデルでの展開となったのかを同社業務執行役員 SVP 兼 コンスーマープロダクツ&サービスグループ デピュティプレジデント 兼 VAIO&Mobile事業本部長の鈴木国正氏に聞いた。

――Sony Tabletはいつごろから開発をスタートしたのか?

鈴木 2年ほど前から開発に取り組んでおり、基礎技術が固まってからは1年ほどかかっている。開発チームについては、タブレットに関する社内プロジェクトが3つほどあったが、それを1つに集約した。結果として、ネットワークに強い人、IT関連に強い人というように、社内からさまざまな人が集まった。

――Sony Tabletという名称の由来は?

鈴木 Sony Tabletはソニーのネットワーク系製品で象徴的なものになるだろう、これからの時代をいろいろな形で象徴する製品になるだろうと考えて、あえてサブブランドを付けず、SONYを前面に出した。

 この製品はいろいろなものの積み重ねで成り立っている。ハードウェアの作り込みも大事だが、それだけではなくアプリケーションやサービスがあり、使い勝手のよさなどが先にある商品だと考えている。だから、開発の仕方もこれまでとは違う考え方で取り組んでおり、ユーザーが期待しているのは何かを設計の現場が徹底的に議論してほしい、そういう意気込みを持って開発してほしいとハッパをかけている。



――S1とS2という2モデル構成になった理由は?

鈴木 S1という9.4型ディスプレイを搭載したモデルについては、みなさんもある程度使い方や利用シーンが思い浮かぶだろう。ポイントは5.5型のデュアルディスプレイを搭載したS2だ。スマートフォンのようなサイズでもなく、ポケットやバックには簡単に収納できるという携帯性に優れた大きさながら、大画面を生かしたダイナミックな使い方も可能だ。2画面を使うことで、アプリケーションにも広がりが期待できる。我々が2画面モデルを投入することで、デベロッパーも積極的に開発してくれると思っている。

 開発工数を考えると2モデルは1モデルよりしんどいが、ハードウェアにはTegra 2、OSにはAndroid 3.0とプラットフォームを共通化することで、1チームで開発を行えるのがメリット。何より、2画面のタブレット製品は十分にチャレンジしがいのある分野であり、そういったことがないとソニーじゃない(笑)。

 ユーザー体験が商品力となっている製品は、常に進化し続けている。目指すところが100%というものはない。最初のリリースは80%かもしれないが、アップデートすることで100%に達し、サードパーティーなどのパートナーがアプリケーションなどを開発してくれることで、それが120にも130にもなるという哲学で動いている。

 当然、1つのユーザーIDでさまざまなコンテンツを購入できたり、Reader StoreやPlayStation Storeなどで購入した既存のコンテンツをSony Tabletでも楽しめるようにするべく動いている。

左が開発コード名「S1」で、右が「S2」(写真=左)。S1とS2のポジショニングマップ(写真=右)



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