ノートPCを組み上げた後は、飯山工場内の見学と、お昼の休憩を挟み、午後に行われる授業の準備に入る。品質試験から戻ってきた“自作ノートPC”が各自の机に並べられ、「電源オン」のかけ声とともにいっせいに電源ボタンが押されると、しばらくしてWindows 7の起動画面が現れ「無事成功」となった。会場には自然と拍手が沸き起こる(もっとも、昼食を取っているあいだに工場のスタッフがOSをインストールしていたわけで、「失敗」はないのだが……)。
続く午後の授業は、先ほど組み上げたばかりのノートPCを使って、ワコムのタブレットで写真を加工したり、Windows Movie Makerで動画を作成する、より実践的な内容になっている。ここでマイクロソフトの池田氏が講師として招かれ、初回起動時のユーザー設定や、Windows 7の便利な使い方を説明したあとに、実際のソフトウェアを使った講義が行われた。
参加者の中には、Windows Movie Makerを使うのは初めて(そもそもWindows 7が初めて)という子ども多かったようだが、熱心に池田氏の説明を聞く保護者をよそに、子どもたちはデジタル写真を思い思いに加工したり、複数の写真にさまざまな効果をつけてムービーにしたりと、臆することなくオリジナルムービーを作っていたのに驚かされた。
参加した親子に話を聞いたところ、やはり多くの家庭ではPCは家族共用になっており、子ども用のPCは用意していないという。今回組み立てたノートPCが「はじめての自分だけのPC」になるケースがほとんどで、子どもたちは梱包されたPCを抱えて目を輝かせていた。ただ、中には(ペアレンタルコントロールの難しさから)「インターネットは使わせたくないなあ」と語る保護者もおり、小学生にPCを与える難しさも感じた。
兵庫から参加した親子は「こういうイベントで子どもの視野が少しでも広がればと思い参加しました。ちょっと不安だったのですが、となりで見ていて『しっかりやっているな』と感慨深かったです。PCは子どものものにする予定ですが、夏休みのあいだパソコンばっかりやってたら困りますね」と笑っていた。ちなみに、兵庫から前日の朝4時に出発して松本市内に一泊した後、組み立て教室に参加したという。
実は今回、遠方の参加者には市が宿泊施設を斡旋するなど、地元の有力企業であるマウスコンピューターと飯山市が連携して取り組んだ部分もある。市の職員の1人は「パソコン組み立て教室は2回目ですが、今回も好評でとてもよかったです。マウスコンピューターさんと一緒に、例えば、観光なども含めたプログラムを用意して、飯山市全体で盛り上げていきたいですね」と語っていた。飯山市のマウスコンピューター「パソコン組み立て教室」は、来年以降も恒例のイベントになりそうだ。
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