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後編は、実際の使い勝手とパフォーマンスを検証しよう。
LaVie Xは15.6型ワイドのIPS液晶パネルを採用する。表示画素数は1920×1080ドットだ。15.6型と画面サイズは大型なので画素密度(1インチあたりのピクセル数)は約141ppiと平凡だが、明るく鮮やかで、見た目の印象は非常に良好である。
表面は光沢仕上げ。周囲の映り込みは発生するが、輝度が高く、それを明るい設定にしていれば映り込みが気になる場面は多くない。評価機における印象の色味は、やや緑域が強い傾向がある。ともあれIPS液晶ならではの視野角の広さも実感でき、大きな画面でも色味の変化なく全体を見渡せる。
なお、画面が大きいので、Windows 8標準のdpi(小=96dpi)で使ってもアイコンやテキストの表示は過度に小さくはならない。dpi設定を変更して使う必要はなく、かつ画素数の多さはそのまま表示/作業領域の広さに直結する。1366×768ドットの約1.98倍、1600×900ドットの1.44倍となる表示領域は、ビジネスの作業効率という点では非常に大きいだろう。例えばWebページなら2サイト並べて表示可能、A4サイズのPDFデータやビジネス文書は見開きでも無理なく視認できる大きさで読める。表示/作業領域の広さは、作業データの周囲にパレットなどを置くスペースも必要とするクリエイティブ系アプリケーションとの相性も非常によい。
最後に、ディスプレイは180度まで開くのも良好ポイントだ。ディスプレイの視野角が広く、斜めから見てもはっきり画面が見えることも相まって、会議や打ち合わせなど、複数で画面内の情報を共有したいといったシーンにも便利そうだ。
キーボードはアイソレーションデザインで、標準的な6段配列スタイルを採用。通常キーの右側にテンキーも標準で装備している。こちら、数字入力を多様するビジネス系ユーザーは特に便利に使えそうだ。
キーピッチは正方18ミリ、キーストローク約1.2ミリとなっている。変則的な配列ではないのだが、通常キーとテンキーの間にスペースが空いておらず、EnterキーやBackSpaceキーのすぐ右にテンキーがある。また、カーソルキーも少し窮屈(上下キーのサイズは9.5×13.5ミリ)な位置に詰められており、ミスタイプを誘発しやすい気がする。モバイルシーンで使いたいと思う筆者はそれなら無理してテンキーがなくてもいいかなと思ったが、ビジネス系業務で使用するユーザー、あるいは一般PC利用者には必要であることも多い。好みは分かれることだろう。
打鍵感は薄型モバイルノートPCとしては標準的である。反発具合が少し硬め・強めに調整されているのか、逆に1.2ミリの短ストローク仕様と本機の薄型な見た目の印象からは、筆者の想像よりかなりしっかりしていた。強く押せば中央付近でごくわずかにたわみを感じるが、意識しなければ気が付かない程度だ。キートップに指の形にあわせたへこみがない点について気になる方は気になるかもしれないが、これは慣れ・好みの範囲と思われる。
キーボードの手前には、タッチパッドと2ボタンを一体化したクリックパッド(NXパッド)を備える。Synaptics製ドライバが導入されており、2本指でのスクロールやつまみズーム、回転といった基本操作のほか、チャームの表示/非表示や全画面アプリケーションの切り替えなど、Windows 8に対応したジェスチャー操作機能を備えている。本機はタッチパネルこそ実装しないが、Windows 8を使ううえではこちらでまったく不満なく操作できる。
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