ポメラのメニュー体系は新モデルが出るたびに変更が加えられているが、DM25は前モデルのDM100を踏襲している。ただし、機能としてはDM20の系譜に連なるため、DM20と比較しながら見ていこう。
DM20にはなかった設定メニューは、オプションメニューの名称が変更されたものだが、ほかのメニューに散在していた設定項目がまとめられ、より分かりやすくなっている。ファイルメニューからファイル保存設定、ツールメニューからメモリのフォーマット、バージョン情報が設定に移動した。逆にオプションメニューにあったタイムスタンプ設定は書式に移動した。キー操作関係のキーバインド設定、キー割付設定、キーロック設定はキー設定として1つにまとめられている。
編集にあった文字パレット、行指定ジャンプ、タイムスタンプは検索/挿入メニューに移動した。挿入と設定で個別のメニューになっていた定型文と付箋文はそれぞれ統合され、より直感的になった。定型文はメニューを選択すると定型文選択画面に入り、そこでEnterキーを押せば挿入、右キーを押せば編集ができる。付箋文はメニューから選択すると設定画面が表示されるが、F1キーを押せば挿入される。この付箋文の挿入は通常編集中でもF1キーで行うことができる。
辞書メニューは単語登録に名称変更されたが、項目は大差ない。登録単語の編集を行う辞書ユーティリティが登録単語一覧に、登録辞書インポート/登録辞書エクスポートが登録単語インポート/登録単語エクスポートに名称が変更されたくらいだ。ATOKオプションで同時利用可能な補助辞書がDM20の10種類から20種類に増えたほか、PC版ATOKユーザー辞書の取り込みができるようになった。これはDM100からの追加機能だ。
そのほか、表示面には機能的な変化も見られる。
表示設定にあった「反転表示」はなくなり、かわりにグリッド表示(罫線表示)機能が追加された。書式メニューにはDM100で追加されたフレーム表示設定、表示方向設定が追加されたほか、表示文字サイズも12×12〜64×64ドットの7種類に16×16が追加された8種類になっている。ただし、大きなフォントは単純な拡大表示のため、40×40ドット以上はジャギーがかなり目立つ。
メニューはかなり整理されて使いやすくなっているものの、ファイル操作は少々やりにくい。基本的にはカーソルキーとEnterキーを使用して行うが、「あれ?どうすればいいんだろう?」と迷うところもある。
例えば、ファイルを名前を付けて保存する場合はまず、1番上のファイル名欄がフォーカスの当たった状態で表示される。その下には保存先である本体メモリ、SDメモリーカードのタブがあり、タブページの形でフォルダとファイルが表示される。
表示されているフォルダにそのまま保存する場合は問題ないが、保存先、フォルダを変更しようとするとやや混乱する。まず、ファイル名にあるフォーカスを下キーで保存先タブに移動させる。本体メモリかSDメモリーカードかを左右キーで選択し、下キーでフォルダ・ファイル一覧に移動し、上下キーとEnterキーでフォルダを選択する。その後で再度上キーでファイル名一覧に戻り、Enterキーを押す、という操作になる。
DM100の場合はフォルダ一覧の中に「このフォルダに保存する」という項目があったため、一度フォルダ選択に移動したフォーカスのままで保存することが可能だった。そのようにするか、あるいはファイル名の横に「保存」ボタンを付けて明示的なアクションがとれるようにする、もしくはファイル名欄を一番下に持ってきて「目的のフォルダに移動してからファイル名を確定させる」という流れを意識づけるなどの改善を検討してもらいたいところだ。
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