「折りたたみタイプの最上位モデル」は本当か?――最新ポメラ「DM25」を試す発売直前レビュー(1/3 ページ)

» 2013年03月07日 17時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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デジタルメモ帳「ポメラ」の歴史

最新モデルの「DM25」

 ポメラの最新モデル「DM25」が3月8日に発売される。ポメラはキングファイルやテプラで有名な事務用品メーカー、キングジムのデジタルメモ帳だ。

 事務用品に強みを持つゆえか、同社のデジタル文具はスタンドアロンでの利用にフォーカスし、かつ機能を絞り込んでいる印象が強い。ポメラの既存ラインアップはデザインバリエーションである「DM11G」と「DM20Y」を除くと全4モデル。まずは発売順にそれぞれの特徴をおさらいしておこう。

 最初のモデルは2008年11月に発売された「DM10」だ。折りたたみ機構を備え、「メモ専用」という斬新な割り切りで一世を風靡(ふうび)した歴史的モデルである。天板がディスプレイを兼ね、キーボードを備えたクラムシェル型の形こそノートPCに類するが、画面は2階調表示のモノクロ、入力デバイスはキーボードのみ。ネットワーク接続、ブラウザ機能などはなく、ただただテキスト入力に特化している。そのうえ、テキスト入力といっても長文には向かず、あくまでデジタル「メモ」という位置づけだ。

 以前より「多機能なガジェットはいらないからATOKとVZが使える電池駆動のDOS機がほしい」と訴える人は一定数いたが、そこにぴったりとはまったポメラDM10は開発者すら驚くほどの大ヒットとなった。

 その後、2009年12月に大幅にスペックアップした「DM20」、2010年2月に廉価版の「DM5」が登場する。DM5は基本スペックをDM10同等に抑えたうえに、QVGA(320×240ドット)STNモノクロ液晶に、開いた際に左右に広がるバタフライタイプのキーボードをシンプルな折りたたみタイプに変更している。その結果、キーボードの安定感は増したものの、ディスプレイが中央ではなく左寄りに配置され、一目見て廉価版であることが分かるデザインになっている。もっとも、DM5は当初のクールブラックを廃止し、ピンクゴールドとスパークリングシルバーといったエレガントなカラーバリエーションをそろえ、「気軽に使えるフレンドリーなモデル」という路線をとっている。

ストレートタイプの「DM100」

 そして2010年6月デザインバリエーションである「DM20Y」、2010年12月コラボレーションモデルとなる「DM11G」を経て、2011年11月に登場したフラッグシップモデルが「DM100」だ。

 DM100は、それまでポメラの代名詞である(と多くの人が思っていたであろう)折りたたみ機構を搭載しなかった。「打ちやすさを追求した結果、こんなカタチになりました」という、ある意味今までを否定しかねないキャッチコピーとともに登場した、異色のストレートモデルである。

 DM100で実現したキーボードの剛性アップは そのままタイピングの安定性に直結し、キーの打ちやすさはシリーズ随一。ボディの大型化(ただし厚みは24.6ミリとシリーズ最薄)とそれに伴う単3電池の採用により、バックアップライト、Bluetoothの内蔵、電子辞書の収録など多機能化も進んだ。その一方で、「果たしてこれはポメラの進むべき方向なのか」と不安視する声もあった。

 そのような経緯から、次のポメラがどのような進化を遂げるのか、注目していた人も多かったのではないだろうか。特に事務用品メーカーならではのキングジムの視点は、PC周辺機器メーカーにはないもので、それが吉と出るか凶と出るか、ワクワクよりハラハラしていた人もいるかもしれない。

 しかし、ふたを開けてみると、今回登場した「DM25」は、至極真っ当とも言える折りたたみタイプの正常進化型だった。

ハードウェアはDM20を踏襲

キーボードを収納できる折りたたみタイプに回帰した

 DM25に冠されたキャッチは「折りたたみタイプ最薄」「折りたたみタイプの最上位モデル」だ。まずは外観から見ていくことにしよう。

 DM25のデザインはDM20を踏襲している。DM10のときはディスプレイが4型だったため、折りたたんだキーボードの上に一回り小さな天板が乗る形だったが、DM20以降はディスプレイがキーボードと同サイズの5型となり、収まりのよいデザインになっている。新モデルのDM25もDM20とほぼ同じで、アクセサリの交換用天板はDM20のものがそのまま使える。塗装はラバー塗装ではない通常塗装、天板はつや消しだが底面には光沢がある。

 折りたたみ時の本体サイズは、145(幅)×100(奥行き)×33(高さ)ミリだったDM20に対して、145(幅)×100(奥行き)×29(高さ)ミリと、4ミリほど薄くなっている。初代モデルのDM10は高さ30ミリだったが、実際に並べてみるとDM20とほぼ変わらない。DM10からDM20では、ディスプレイの大型化に伴って天板の厚みが増した分、全体の厚みも増えたのだが、DM25では底面のキーボード保持用の固定アーム廃止によって薄くなっている。

本体前面と左側面。サイズは145(幅)×100(奥行き)×29(高さ)ミリ。左側面のカードスロットは、microSD/microSDHCカードスロットからSD/SDHCカードスロットに変更されている。デジカメなどで使用していた2ギガバイト程度のSDカードが余っている家庭も多いはず。それらが流用できるようになったのはうれしい

 キーピッチは歴代モデル統一の約17ミリ。キートップはDM20からの黒キー、シルク印刷だ。違いは電源キーが漢字表記からシンボル表記に変わったこと、テンキー入力が廃止されたことくらいだが、これはDM100からの実装だ。固定アーム廃止によるたわみなどはあまり感じられず、打鍵感にはほぼ違いがない。

17ミリピッチのキーボードを搭載。キートップはシルク印刷だ(写真=左)。DM20では「電源」と書かれていた電源ボタンがDM100同様、シンボルに変更されている。また、テンキー入力モードがなくなったため、キートップからもテンキー用キー表示が省かれた(写真=右)

 本体背面を見るとコイン電池CR2032用のカバーが目に入る。一瞬「コイン電池に変わったのか?」と錯覚したが、これは単4電池交換時に日付データを保持するためのバックアップ用バッテリで、今までは固定アームに隠れていたものだ。メインのバッテリは単4×2本で、利用可能時間がアルカリ乾電池で20時間、エネループで15時間というのもDM20と変わらない。microSD/microSDHCカードスロットはSD/SHDCカードスロットに変更されている。

コイン電池カバーの存在感。今まではこの上に固定アームがあったために隠れていた(写真=左)。折りたたみタイプ最薄という触れ込みだが、DM10(右)と並べてみるとそれほど薄いとは感じない(写真=右)

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