「dynabook V713」実力診断(中編)――ペンで“紙のような書き心地”を味わえるか?デジタイザ内蔵のフルHD液晶を検証(1/2 ページ)

» 2013年08月02日 18時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

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フルHD液晶ディスプレイに“ノングレア化”フィルムを装備

photo ディスプレイの解像度は1920×1080ドット。外光の映り込みを低減するフィルムを張っているため、ノングレアパネルのような感覚だ

 前回は、東芝が発売した“デタッチャブル”Ultrabook「dynabook V713」の外観やインタフェース、キーボードドックについて触れた。着脱機構に目を奪われがちな本機だが、指でのマルチタッチ操作と、筆圧検知に対応したペン入力の両方が可能な液晶ディスプレイを備えているのも大きな特徴だ。

 液晶ディスプレイの画面サイズは11.6型ワイドで、解像度は1920×1080ドット(フルHD)に対応する。画素密度は約190ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)と高く、ドットがほとんど見えない精細な表示だ。IPSパネルを採用しており、視野角も広い。

 また、ディスプレイの表面に外光の映り込みを低減するフィルムを張っているため、ノングレアパネルに近い感覚で使える。表面仕上げはハーフグレアのような見え方で、少しの艶を残しながら、自分の顔がはっきり映り込むほどの反射はない。表面にザラザラとした光の乱反射が生じる点は、好みが分かれそうだ。

 このディスプレイに10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチパネルを内蔵する。フィルム越しでも指の滑り具合や感度はよい。ガラス面を触るのとは異なり、サラサラとした感触で、指の滑りが悪くなることも起こりにくい。

 本機のように画素密度が高めのディスプレイでは、Windows 8標準のスケーリング設定(描画密度)のまま利用するとデスクトップモードでフォントやアイコンが非常に小さく表示されてしまう。スケーリングの設定が100%だとアイコンの大きさが小さくなり、クリックしにくく文字も小さくて読みにくい。

 そのため、dynabook V713ではスケーリングの初期設定が中(125%)となっている。スケーリングの変更はコントロールパネルから行えるが、東芝独自の「画面設定ユーティリティ」も用意している。スケーリングの選択肢は「大きいテキスト」(150%)、「最適」(125%)、「表示領域を最大化」(100%)、「カスタム」の4種類だ。個人的な感覚ではデスクトップ画面でタッチ操作を行うなら「最適」(125%)でギリギリ、という感じだ。スケーリングを小さくして広い作業領域を確保する場合、タッチ操作はあまり現実的ではない。キーボードドックを接続して、通常のノートPCのように使うのがよいだろう。

photophoto dynabook V713ではスケーリングの初期設定は中(125%)となっている(写真=左)。スケーリングの変更は「画面設定ユーティリティ」でも行える(写真=右)
photophotophoto 左から画面設定ユーティリティでスケーリングを「大きいテキスト」(150%)、「最適」(125%)、「表示領域を最大化」(100%)にした場合のデスクトップ画面。100%の場合はアイコンが小さく表示されてしまい、操作しづらい

 デスクトップモードを使うときは、付属する電磁誘導式の筆圧検知対応デジタイザスタイラスを使うのが便利だ。ペンは本体背面に収納できる細身のもののほか、一般的なペンサイズのものも別途付属する。2種類のペンが付属するのはありがたい。正式な対応機種ではないものの、ワコムの「Bamboo Stylus feel」でも筆圧検知機能を利用できた。

 本体に収納できるスタイラスペンは直径が5ミリとかなり細く、全長は105ミリだ。重さが3グラムと軽く、細いながらも扱いやすい。側面にクリックボタンもついている。もう1つのスタイラスは直径が10ミリ程度とやや太くなるが、握る部分を少し細くするなどの工夫を施しており、ほどよく握りやすい。全長は138ミリと一般的なペンと同程度の長さだ。底部に消しゴムボタンを搭載し、サイドボタンも1つ設けられている。ペンに力を込めやすいためか、筆圧検知は太いほうのペンを使ったほうが楽に表現できた。

photophoto 本体背面の右上にスタイラスペンが収納されている(写真=左)。細身のスタイラスペンのほかに、一般的なペン型のスタイラスペンも付属する。握りやすい形状を採用しており、長さも138ミリとちょうどよい。重量は11グラムだ(写真=右)
東芝ダイレクト

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