連載
» 2013年08月29日 14時00分 公開

海外プリペイドSIM導入マニュアル──「フィリピン・マニラ 2013年」編「LTEも1日約100円」な海外定額データ通信(2/3 ページ)

[山根康宏,ITmedia]

SIMカードの入手はひと苦労、端末も見つからず

 降り立ったマニラのニノイ・アキノ国際空港ターミナル1。荷物を受け取り、屋外ゲートのすぐそばに各社のプリペイドSIMカウンターがあるのは、前回の訪問時と同じだった。SmartのカウンターでLTEプリペイドSIMはあるか聞いてみると「ある」とのことである。

photophoto ニノイ・アキノ国際空港ターミナル1にあった通信事業者のカウンター(左) LTEプリペイドSIMはnanoとmicro、2種類のサイズがあるのだが、今回はnanoサイズしか売っていなかった(右)

 だがSIMカードはnanoサイズのものしか在庫がなく、しかも価格は1150ペソ(約2503円)だという。

 むむむ、3倍の値段をふっかけてくるのか。

 ……と身構えたが、900ペソ弱(約2000円)の残高入りとのこと。これだけ入っていればやや長期間滞在する人ならば悪くない選択かもしれない。nano−Micro変換アダプタも持っているが機器からSIMカードが外せなくなるのが怖く、短期滞在にはチャージ額が多すぎるので……ひとまず空港での購入はやめることにした。

 続いて向かったのはマニラ市内の「Robinsons Place Mall」である。ここには以前の経験からSmartの店舗があることは確認済み。スペースが限られる空港のカウンターと違い、端末セットも数種類販売されているだろう──という考えだ。

 ところが「LTEのプリペイド商品は“すべて”品切れ」と言うではないか。実はこのモール、1階に独立系の携帯ショップが多数集まるゾーンがあるのだが、どうやらそれらの店がLTEのプリペイドSIM製品を買い占めてしまっているようである。

 試しに1階のそのエリアに行ってみると、確かにLTEプリペイドSIM製品がある。だが、価格は800ペソ(約1741円)と、標準価格の約2.5倍……。結局歩き回って一番安かった650ペソ(約1414円)の店で購入することにした。ここまで来るとまぁいいかという感じである。

photophoto Robinson Place MallのSmartの店舗(左) ようやく購入できたLTEプリペイドSIMカード(右)

 では端末はどうか。同じエリアの携帯ショップでは「4G」と書かれたUSBモデムが見つかった。しかも価格は1200ペソ(約2610円)と比較的安い。

 ……ただ、待てよ。となりの3G対応USBモデムも変わらない値段で売っているぞ。

 ……4Gと言っても、一部の国ではHSPAを4Gと呼称することがある(ほか、3.5Gなどとも言われ便宜上区別されることはあるが、正式には3Gである)。

 パッケージを見せてもらったが、肝心の「LTE」表記はどこにもなく、やはりHSPA対応だった。念のため店員にも「これ、LTE対応か?」と聞いてみたが、よく分からないようである。……フィリピンでLTE機器を購入するときは「4G」の記述にご注意願いたい。

photophoto Robinson Place Mall入り口のイベントスペース。ここを奥に行けば携帯ショップの集まるゾーンがある(左) 携帯ショップエリアで見つけた“4G”モデム。ただしLTE対応ではないので注意(右)

 このように、大きなショッピングモールだからといってLTEのプリペイドSIMカードが購入できないのは少々困る。では他のモールではどうだろうということで、次に向かったのは「SM Mall of Asia」。マニラでも2番目に大きいという近代的で巨大なモールだ。ここはRobinsonとは異なり独立系の携帯ショップはほとんど入っていない。そのためかSmartのキャリアショップでもLTEのプリペイドSIMカードの在庫は潤沢にあった。こちらであれば確実に購入できるようだ。

 ……だが、今回はここでもLTE端末のセットは売り切れ。マニラではまだLTE端末を入手することは難しく、2013年8月時点では渡航前に国内通販、あるいは海外輸入や海外購入などであらかじめ入手しておくほうがよさそうである。

photophoto 超巨大なショッピングモール「SM Mall of Asia」(左) 店内は広く清潔だ。Smartの店は屋外側にある(右)

開通不要、SMSでプランを申請

Smart LTE対応プリペイドSIMカードのAPN設定
APN Smartbro
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 ということであらかじめ持参したLTEルーター「E589」でSmartのLTEプリペイドSIMカードを使うことにする。SmartのLTEは850MHz(Band B)、1800MHz(Band 3)、2100MHz(Band 1)の3バンドで提供されるが、プリペイドSIMサービスで利用できるのは2100MHz(Band 1)のみと付属する説明書に記載されていた。E589はLTE Band 1対応のため、これでもちろん利用できる。

 導入したLTEプリペイドSIMカードはパッケージに「micro」と書かれているが、実際は標準/Microの両用タイプだ(SIMを折る位置で分けられる)。電源を入れしばらくすると、開通作業不要で電波をつかんだ。APN設定は自動登録されたが、手動で行う際は右記の文字列を適宜登録してほしい。


photophoto SIMカードは標準/Micro両対応のものだった。E589では標準サイズに切り取って装着する(左) 電源投入後、開通作業不要ですぐにつながった(右)

 だが、これだけでは従量制での接続となってしまう。続いて「データ定額の手続き」をすぐ行おう。手順は以下の通り。

  1. ルータにWi-Fi接続した機器のブラウザで「http://192.168.1.1」のWeb設定ツールへアクセス
  2. Web設定ツールより「Disconnect」(いったん切断する)
  3. Web設定ツール「SMS」メニュー→「New SMS」→宛先を「2200」とする
  4. 以下を参照に、データ定額申請のための文字列を「Content」欄に入力して送信
  5. 「登録完了」の旨のSMSが返信されれば完了
データ定額メニュー 価格 申請用SMSコマンド
1日定額 50ペソ(約108円) LTE 50
7日定額 299ペソ(約651円) LTE 299
1カ月定額 995ペソ(約2166円) LTE 995

 ちなみに、今回購入したプリペイドSIMカードは「320ペソ」があらかじめチャージされている。短期滞在であればひとまず7日定額のプランがちょうどよいと思う。「登録完了」の旨が返信されれば、ここから定額利用が可能だ。

 だがここでまた問題が1つ。LTEエリアのはずだが接続先が3Gのまま変わらず、ルータを再起動などしても改善されないのだ。試行錯誤の結果、設定ツール「Network Search」の項目をAutoから「Manual」に変更し、ネットワーク検索された「Smart 4G」を手動選択することで無事LTEネットワークに接続できた。文字だとサラリと流せるが、その解決にかなり手間と時間がかかったことはお察し願いたい。

photophoto 従量制でデータ通信が始まってしまっているので、まずは切断(左) Web設定ツールよりSMSを送信し、データ定額の申請を行う。7日データ定額プランであれば、「2200」宛てに「LTE 299」と入力して送信する(右)
photophoto 登録完了の旨のSMSが返信されてくれば完了(左) なぜかLTEで接続されないため、ネットワークサーチ設定を「Manual」にし、念のためネットワークも「4G固定」にした(右)
photophoto サーチ後、「Samrt 4G」を選択(左) ぶじLTE接続となった(右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.