最初に選ぶのはやはりPCケースだ。石井さんは「PC-A04B/Bもマイクロハイエンドとしては全然ありんですけど……個人的なこだわりを爆発させますね」と、前回どおりギアを一段階上げる。
「PC-A04B/Bは背面のファンスペースが8センチ径なんですよ。ここが8センチということは、あまり背の高いCPUクーラーは取り付けられません。12センチファンでサイドフローを作る売れ筋モデルが入らないんですね。ならば、多少サイズアップしても、もう少し自由度の高いケースを選んだほうがいいかなと思います」とのことで、マイクロハイエンドの2大定番という、コルセアの「Obsidian 350D」とFractal Designの「Define Mini」を最終候補に選んだ。
ともに背面には12センチファンがついている。「どちらも作りはすごくよくて、レイアウトにクセもありません。ATXサイズでこの品質を求めるとかなり大ぶりなモデルになりますが、Micro ATXならある程度のサイズのうちに収まるのもポイントです」。
税込み価格は前者が1万2482円、後者が1万167円。今回はやや高価ながら、裏配線スペースの厚みが2センチあるObsidian 350Dを選んだ。
次はマザーボード。「ATXマザーは非常にラインアップが多く、同じメーカーでもハイエンドモデルが複数台あります。その点、Micro ATXはエントリーモデルが多くて、上位はATX上位の集約版みたいなものに限られます。今回のようなコンセプトなら選択肢がかなり絞られるので選びやすいですね」と石井さん。選んだのは、元の構成のままのMSI「Z87M GAMING」で、単体の税込み価格は1万8338円となる。
ただし、消極的な据え置きではない。「Z87M GAMINGは電源回りやコンデンサの品質が高く、価格を抑えながらもハイエンドたるハードルはしっかり超えているんですよ。基板も通常4層のところを6層にしていて、このモデルに最適な設計がなされています。最初に実機を見たとき、『このメーカーはこのマザーに対して本気だぞ』と思いましたね」という力強い理由を添えたうえでの選定だ。
あえて気になる点を挙げるとすれば、CPUソケットの位置という。「ASUSTeKの『MAXIMUS VI GENE』と比べると、3ミリほど下にあるんです。そのぶんCPUクーラーがグラフィックスカードと干渉しやすい。もともとMicro ATXマザーはレイアウトに余裕がないので、ミリ単位の違いが干渉を生むこともあります」とのこと。以降のパーツ選びにも影響を与える貴重な情報だ。
続いてCPUを選ぶところだが、あえて最後に回すことにした。「ゲームによりますが、一般的にCore i7とミドルレンジGPUの組み合わせと、Core i5とハイエンドGPUの組み合わせなら後者のほうがパフォーマンスが出やすいというのが理由です。Core i7とハイエンドGPUを組み合わせるのに越したことはないので、ここは最後に決めましょう。CPUはグレードや価格の選択肢が細かいので最終調整に向いているんですよね」。
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