このところ、アキバでは週末になると円安を無視したかのようなHDDの特価セールがみられる。デスクトップPC用では数量限定ながら3Tバイトモデルで8000円台、NAS用HDDとして評価の高いWD Redシリーズでも2Tバイトモデル8000円台と、かなり求めやすくなっている状況だ。
CPUがクロック速度の上昇が鈍化してからはコア数を増やしたり、消費電力を下げたりというさまざまなアプローチで性能向上を図ったのに対し、HDDは速度、容量、信頼性、消費電力、価格といった、極めてシンプルかつ普遍的な指標で性能が測られる。
メーカー間の互換性も高いため、使用中のHDDを最新モデルに買い換えることで比較的容易に性能改善や容量増加を図ることができる。この機会にディスクの容量拡張を考えてはいかがだろうか。
HDDの容量拡張での最大の問題は、ストレージであるがゆえに大容量のデータを移し替える必要があるというところだ。しかも、一般消費者向けのHDDの容量増加ペースは読み出し、書き込み速度向上よりも速い。つまり、単純にHDD1本分のデータをコピーするためにかかる時間はだんだん長くなってきている。そのため、コピー前後の構成を考慮したうえで手順や必要な機材の調達、移行にかかる時間、サービスの停止期間(利用できない時間)を把握しておくことが重要だ。
本連載で評価機としている2ベイモデルのAS-202TEの場合、冗長構成のRAID 1、速度重視のRAID 0、容量重視のJBOD、1ディスク1ボリュームのシングル、という構成をとることができる。移行前の構成ごとに分けて説明しよう。
冗長構成であるRAID 1の場合、移行は非常に簡単だ。ディスクを1つ取り外してもデータが失われることがないため、片側ずつ入れ替えていけばよいからだ。作業内容としては、
という流れになる。必要なのは同一容量の新しいHDD2台だ。
この一連の作業はストレージマネージャーから操作できる。画面の指示に従ってディスクの交換等を行えばよい。
ボリューム容量の拡大は容量に比例してかなり時間がかかるが、その間もAS-202TEを利用することは可能だ(利用可能容量は順次増加していく)。また、電源をオフにすることもできるが、当然ながらその際には正規の手順が必要だ。
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