MyArchiveディスクではないシングル2台や、RAID 0/JBODで運用していた場合は残念ながら一筋縄ではいかない。手間はかかるが次のような手順でRAID 1環境に移行することができる。必要なものは新しい同一容量のHDD2台、SATA/USB変換アダプタ、それに一時作業用のHDD1台だ。
データのコピーなどのためにはUSB接続/ベイ接続の両方で認識されるMyArchiveディスクを作成した方がやりやすい。だが、MyArchiveディスクはUSB接続のディスクには作ることができない。そのため、MyArchiveディスクを作るための一時的な環境を作成する。
まず、既存のディスクを2台とも取り外し、作業用の別のHDDをディスク1用として再セットアップを行う。その上でディスク2として接続した新しいHDDをMyArchive用ディスクとしてフォーマットする。
MyArchive用ディスクができたら、再度ディスクを交換して既存の環境に戻す。MyArchive用ディスクをUSBに接続してファイルのコピー、さらにバックアップと復旧メニューから「システム設定」をエクスポートする。
未使用の新しいHDDをディスク1として接続、シングルボリューム1つの構成で再セットアップする。エクスポートしておいたシステム設定をインポートし、USB接続したMyAcrhiveディスクからファイルを書き戻す。コピーが完了したらMyArchiveディスクを取り外し、ディスク2にセットしてシングルボリュームからRAID1へ移行すれば完了だ。
設定によってはユーザーの権限などでうまく移行できない場合もあるかもしれないので、あくまで参考程度にとどめておいてもらいたい。NASの運用にあたっては冗長構成をとることがほぼ必須と考えてよいだろう。
RAID 1などによる冗長構成のメリットは一般には可用性の向上だが、家庭用NASでは特に今回取り上げたようなスケーラビリティ――拡張性にも大きく影響する。大容量化、冗長構成化を図るならHDDが安価な今のうちだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.