グラフィックスカードで大きな動きがあったのは9月。NVIDIAの新世代ハイエンドGPU「GeForce GTX 980/970」搭載モデルの発売だ。それまでも、2月に「GeForce GTX 750 Ti/750」や「GeForce GTX TITAN BLACK」、3月に「Radeon R7 265」、4月に「Radeon R9 295X2」が登場して話題を集めたが、ブームを作るほどの存在にはならなかった。
GeForece GTX 980/970は、GTX 750 Tiなどと同じ「Maxwell」アーキテクチャを使ったGPUで、前世代より大幅に低い消費電力で動作するのが最大の特徴だ。リファレンスカードのTDPはGTX 980が165ワット、GTX 970が145ワットで、GTX 780/770の250ワット/230ワットと比べると100ワット近く下がっている。発売当初から「そのうえで性能が上がっているので、これは売れますよ」(TSUKUMO eX.)と言われていた。
10月に入るとGTX 980のオリジナルクーラー搭載モデルが各社から登場するようになり、好調な売れ行きを加熱させた。ソフマップ秋葉原リユース総合感は当時「元の消費電力が低いので、そのぶんをクロックアップに回すために冷却性能の高いモデルを待っていた人も多いと思います」と話していた。
高い省電力性を省スペースに生かしたモデルも11月に登場している。ギガバイトのGTX 970カード「GV-N970IXOC-4GD」で、17センチ長のショート基板とシングルファンクーラーを搭載し、ミドルレンジのようなコンパクトさを実現。「ミドルレンジ然としたたたずまいで性能はハイエンドという、これまでの常識を破壊するインパクトを持っていますね」(BUY MORE秋葉原本店)と多くのショップを驚かせた。
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