GTX 980/970が新たなハイエンド像を、「Windows 8.1 with Bing」が新たなジャンルを生んだ2014年のアキバまとめ後編(3/4 ページ)

» 2014年12月31日 20時42分 公開
[古田雄介,ITmedia]

11月〜12月:Windows 8.1 with Bingを搭載した超小型PCが新たなジャンルを作る

 11月以降、小型ベアボーン売り場を侵食する勢いで売れているのが、OS組み込み済みの“超小型PC”だ。NUCやBRIXといった超小型ベアボーンとは異なり、ストレージやメモリなどがすでに組み込まれており、OSもインストールされた状態で出荷されている。そのうえでベアボーン並の低価格を実現しているのが人気の根底を支えている。

 低価格の秘密はOSに「Windows 8.1 eith Bing」を採用しているところにある。Internet Explorerの標準検索エンジンに「Bing」を設定している以外は通常の8.1と変わらないが、マイクロソフトのハードウェア要件を満たすことで、無料(もしくは低価格)で提供される。8月末から同OS搭載の小型PCが出回るようになり、じわじわと支持を広げていった。それが、11月後半に登場したスマホ大PC「ZBOX P」の登場でブレイクした。

8月末に登場したZOTAC「ZBOX CA320 nano Win8.1 with Bing」。2万5000円前後の価格から好調に売れた

ZOTAC「ZBOX PI32x pico Win8.1 with Bing」。本体サイズは66(短辺)×115.5(長辺)×19.2(厚さ)ミリ

BUY MORE秋葉原本店のPOP。64Gバイトモデル(4万2000円弱)と32Gバイトモデル(3万5000円弱)がある

 超小型の筐体にAtom Z3735Fや2GバイトのDDR3Lメモリ、IEEE802.11n+Bluetooth 4.0アダプタなどを内蔵しており、「モバイルバッテリーを組みあせて持ち歩けるかも」(パソコンハウス東映)と言われるほど消費電力も低く、様々な使い方が想像できる。このため「何に使うかよりも、興味先行で買っていく人が多いです」(同)といった売れ方となった。

 ZBOX後も、4月から8月にかけて2万円以下の超小型ベアボーンとして人気を集めてきたECS「LIVA」のOS組み込みモデルが登場して話題を集めた。さらに12月初旬には、スティック型の極小PC「m-stick MS-NH1」がマウスコンピューターから発売されて、いまだ品薄が続くほどの反響を得るなど、同じジャンルのヒット作が立て続けに現れている。この勢いは年明けも続きそうだ。

11月末にTSUKUMO eX.に張られていた、8.1 with Bing組み込み済みLIVAの予約POP

ESC「LIVA」のWindows 8.1 with Bingプリインストールモデル。64Gバイトモデルが3万円前後、32Gバイトモデルが2万8000円前後となる

マウスコンピューターのスティック型PC「m-Stick MS-NH1」。価格は1万9800円だ

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