ここからはEeeBook X205TAの性能をベンチマークテストで見ていこう。参考までに似たスペック(Atom Z3745、2GバイトLPDDR3メモリ、32GバイトeMMC、32ビット版Windows 8.1 with Bing)の10.1型Windowsタブレットで計測したスコアも掲載した。
CINEBENCHのCPUスコアは、Atom Z3745搭載タブレットの86%相当と振るわなかった。CPU(シングルコア)のスコアもやや劣っている。比較用タブレットが搭載するAtom Z3745とEeeBook X205TAが搭載するAtom Z3735Fは、CPUコアの周波数はほぼ同じなのだが、後者のほうが廉価版でベースクロック(内部的な基準周波数)が低く、その辺りが影響しているのかもしれない。
CrystalDiskMarkのスコアはまずまず。最近のeMMCとしてはシーケンシャルアクセスが速いほうではないが、ランダムアクセス性能は優秀だ。
PCMark 7の総合スコアは、Atom Z3745搭載タブレットより若干下といったところだ。なお、LightWeight、Productivityの2項目はタッチパネル搭載機では不利なスコアが出る(総合スコアは各項目を総合して算出しているわけではないため、総合スコアには影響しない)ため、この2項目は除外して見ていただきたい。
グラフィックスコアの周波数は、比較用タブレットが搭載するAtom Z3745のほうが、EeeBook X205TAが搭載するAtom Z3735Fよりも132MHz高いが、3DMarkのスコアは微妙な差でしかない。FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコアもほとんど同じだ。
タブレット向けのベンチマークテストもいくつか実行してみた。どれもAtom Z3745搭載タブレットと比べて少しずつ見劣るスコアだ。TabletMark 3、WebXPRT 2013とも、写真やビデオを扱う処理より、テキスト編集など比較的軽い処理で差がついており、CPUコア/グラフィックスコアよりはeMMCの性能差のほうが強く影響しているかもしれない。
いずれにしても、最近よく見かけるWindows 8.1 with Bing搭載タブレットと同じようなスペックであり、実測の性能もそれに準じるものだ。OSの基本操作やブラウジング、テキスト編集のオフィスアプリケーション操作においては、特にストレスなく扱える。
ストレージは小容量とはいえeMMCなのでランダムアクセス性能はよい。サクサクというほどではないが、HDDを搭載した無難な構成の低価格のノートPCよりもむしろ使用感はよいほうだろう。
BBench 1.01におけるバッテリー駆動時間の計測では、満充電から残り5%で休止状態に入るまで13時間32分と、公称値(JEITA 2.0測定法で11.3時間)を上回って動作した。申し分ない駆動時間で、ほぼ1日バッテリーの残量を気にせず使うことができるだろう。
ファンレス仕様のため、負荷状況にかかわらず、動作音は静粛だ。ボディの発熱は底面の左奥寄りが中心だが、気になるような高温にはまったくならない。この辺りは省電力で低発熱のタブレット向けプラットフォームを採用している強みだ。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
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