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» 2015年02月12日 08時00分 公開

“3万円台前半”で1キロ切りのミニノートPC――「EeeBook X205TA」はどこまで使えるか?ファンレスで騒音もなし(1/4 ページ)

タブレットのプラットフォームで小型ノートPCを作ったら、軽量でファンレス、ロングバッテリー、さらに価格も安い、ありそうでなかったナイスなモバイルPCが生まれた。

[鈴木雅暢,ITmedia]
ココが「○」
・公称約980グラムの小型軽量
・eMMC+ファンレスの無音仕様
・公称約11.3時間の長時間駆動
ココが「×」
・ストレージが32Gバイトと少ない
・USBポートがUSB 3.0に非対応
・ボディに指紋が付きやすい

ありそうでなかった軽量かつ低価格のミニノートPC

 かつて「Eee PC」ブランドでNetbook市場を開拓したASUSTeK Computerだが、そのブームが去ってからも低価格ミニノートPC製品に注力しているのはご存じだろうか。同社が2014年12月に発売した「EeeBook X205TA」は、その流れをくむコストパフォーマンスの高いミニノートPCとして、密に注目を集めている。

 EeeBook X205TAは、実売3万円台前半(税込)の低価格でありながら、重さ約980グラムの軽量ボディ、11.3時間駆動(JEITA 2.0測定法)のロングバッテリーライフを特徴とする11.6型のモバイルノートPCだ。

 CPUの省電力化や低価格化が進んだ今でも、このように1キロを切る超軽量クラスで、しかも10時間超のバッテリー駆動時間をうたうクラムシェルノートPCは高価な製品が多いだけに、貴重な存在と言える。

「EeeBook X205TA」は、約980グラム、厚さ17.5ミリという薄型軽量ボディ、公称11.3時間のロングバッテリーライフ、そして実売3万円台前半(税込)の低価格が特徴のモバイルノートPCだ

 もっとも、このようにありそうでなかったことをサクっと実現しているのには理由がある。EeeBook X205TAは、クラムシェルノートPCではあるが、基本システムは、開発コード名「Bay Trail Refresh」と呼ばれるタブレット向けのSoC(System On Chip)を採用しているのだ。

 近年はノートPCとタブレットの境界があいまいになったとはいえ、技術レベルでは同じではない。ノートPC向けとタブレット向けでは電力面でも機能面でも相違点はあり、使用感に影響があるので注意が必要となる。今回は製品版を入手したので、その辺りも含めて性能や使い勝手を検証していこう。

筆者が購入したEeeBook X205TAの外箱。黒いシンプルなデザインのパッケージだ

安さを感じさせないデザインの小型軽量ボディ

 ボディのサイズは約286(幅)×193.3(奥行き)×17.5(高さ)ミリ、重量は約980グラムだ。実測では948グラムと公称値より軽かった。11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載した低価格ノートPCの中でも断然小さく、薄く、そして軽い。さすがに高価な「VAIO Pro 11」などには及ばないものの、これだけの軽さと実売3万円台の手頃さは、大きな魅力だ。

 それでいて、バッテリーの公称駆動時間も約11.3時間と非常に長い。CPUID HWMonitorで確認したバッテリー容量はフルチャージで34ワットアワーと特に大きいわけではないが、プロセッサにタブレット向けのSoCのBay Trail Refreshを採用している強みだろう。

 タブレット向けのBay Trail Refreshと低価格ノートPC向けのBay Trail-Mは、CPUコアこそ同じでも、対応するメモリや統合インタフェースの種類などが異なる。より省電力なDDR3L-RSに対応するほか、PCI ExpressやSerial ATAといった高速インタフェースをサポートしないぶん、タブレット向けのBay Trail Refreshのほうがより省電力だ。

主な11.6型クラムシェルノートPCの比較
製品名 メーカー サイズ(幅×奥行き×高さ) 重量 公称バッテリー駆動時間 SoC
EeeBook X205TA ASUSTek Computer 約286×193.3×17.5ミリ 約980グラム 約11.3時間 (JEITA 2.0) Atom Z3735F (Bay Trail Refresh)
X200MA ASUSTek Computer 約302×200×26〜30.4ミリ 約1.2キロ 約7.1時間 (JEITA 2.0) Celeron N2830 (Bay Trail-M)
HP Stream 21 日本ヒューレット・パッカード 約300×207×19〜21ミリ 約1.26キロ 約8.25時間 (連続動画再生時) Celeron N2840 (Bay Trail-M)
dynabook N51/NG 東芝 約289×199×21.9ミリ 約1.3キロ 約4.6時間 (JEITA 2.0) Celeron N2840 (Bay Trail-M)
VAIO Pro 11 (VJP1111AX) VAIO 約285×197×11.8〜15.8ミリ 約770グラム 約7.0〜9.5時間 (JEITA 2.0) Core i3-4030U (Haswell Refresh-U)

 このボディは見た目もいい。全体的にフラットでエッジに丸みを持たせたフォルムとなっており、すっきりとモダンなデザインに仕上げている。表面はキメの細かい加工がされており、しっとりとした手触りだ(ただし、指紋は付着しやすい)。ダークブルーのカラーリングもさりげない個性があって安っぽさはなく、よい印象を受ける。

外装の表面はきめ細かい加工がされており、質感がよい。ダークブルーのカラーリングも好印象だ
天面中央の「ASUS」ロゴはミラー加工が施されている。外装だけみれば安っぽさは皆無だ。ただし、指紋が付きやすい点は気になった
底面もノイズの少ないシンプルでモダンなデザインだ。ほぼフラットなボディを円形のゴム足で支えている。ゴム足の耐久性はやや気になった。底面の手前側にはステレオスピーカーが配置されている
ACアダプタの電力仕様は19ボルト/1.75アンペアだ。サイズは53(幅)×53(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量は129グラムと小型軽量だが、ケーブルが直付けでプラグを収納できないのはマイナスポイント
CPUID HW Monitorで確認したバッテリー容量はフルチャージで34ワットアワーだった

タブレット向けの基本システムを採用

 システムの中核となるSoCには、IntelのAtom Z3735F(1.33GHz/最大1.83GHz)を採用している。4コア/4スレット対応のCPU、Intel HD Graphicsのグラフィックス機能を統合したSoCで、SDP(Scenario Design Power:シナリオに基づいた消費電力設計)は2.2ワットと省電力かつ低発熱のSoCだ。

 前述の通り、Atom Z3735Fは開発コード名でBay Trail Refreshと呼ばれる最新のタブレット向けSoC。この世代のSoCは多数のバリエーションがあり、対応メモリや容量、統合インタフェースの種類などが異なっているが、このAtom Z3735Fは、Bay Trail Refreshの中でも最もエントリークラスのモデルとなる。メモリが2Gバイト、データストレージがeMMC、そしてUSB 3.0非対応という仕様は、Atom Z3735Fによるものだ。

CPU-Zの情報表示画面。システムの中核となるSoCにはAtom Z3735Fを採用する。Bay Trail Refreshの中でもエントリークラスに分類されるモデルだ

 メモリはDDR3L-1333で2Gバイトを搭載する。ストレージのeMMCは容量が32Gバイトにとどまり、これはプリインストールOSのWindows 8.1 with Bingを利用するうえで必要最小限の容量と言える。初期状態ですでに空き容量は16.8Gバイトしかなく、microSDメモリーカードスロット(microSDXC対応、最大64Gバイトまで)やクラウドストレージを活用してやりくりすることが前提になる。

 通信機能は、IEEE802.11a/b/g/nの無線LANとBluetooth 4.0を内蔵。本体装備の端子は、microSDメモリーカードスロットのほか、USB 2.0が2基、Micro HDMI出力、ヘッドフォン/マイク兼用端子がある。ACアダプタを接続するDC入力コネクタは独自仕様だ。液晶ディスプレイの上に内蔵するWebカメラは約30万画素と最低限の画質だ。

 USB 3.0を搭載しない点は、Atom Z2000(Clover Trail)シリーズ、Atom Z3000シリーズ(Bay Trail-T/Bay Trail Refresh)を搭載した多くのタブレットと変わらない。

ほぼフラットなフォルムで、エッジに丸みを持たせている。ボディの前面には、左寄りにバッテリーの充電状態などを示すインジケータがある
開いた液晶ディスプレイが回り込む背面に、インタフェース類は何もない
左側面には手前から、ヘッドフォン/マイク兼用端子、Micro HDMI、microSDメモリーカードスロットが並ぶ。奥側にあるDCコネクタは、角型の独自仕様コネクタだ
右側面にはUSB 2.0ポートが2基並んでいる
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