ココが「○」 |
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・ゲームによってAPU超え |
・消費電力も抑制 |
ココが「×」 |
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・ソフトウェアトランスコード |
・やっぱりSkylakeがすぐそこに |
6月のCOMPUTEX TAIPEI 2015に合わせて登場した「Core i7-5775C」は、現時点で“デスクトップPC向けBroadwell”の最上位モデルでありながらも、TDPを65ワットに設定した“省電力重視”のモデルで、動作クロックも3.3GHz/最大3.7GHzとCore i7-4790Kの4GHz/最大4.4GHzと比べると抑えている。インテルがCore i7-5775Cを「(CPUラインアップで最上位となる)Kではない」と説明する理由もここにある。
そして、次の世代のアーキテクチャ“Skylake”(開発コード名)を採用するCPUの登場も「まもなく」と予想する関係者も多いこのタイミングで登場したことで、「これ、買ってもいいの? 買わないほうがいいの?」と迷う自作PCユーザーは少なくない。
そういうわけで、ユーザーが判断する一助にしていただくべく、Core i7-5775Cの処理能力をベンチマークテストで測定し、そのうえで、その存在意義について考えてみるこのレビュー。後編では、4次キャッシュメモリも加わったメモリ制御関連のベンチマークテストの結果と、“デスクトップPC向けBroadwell”で最も大きなアップデートとなった統合グラフィックスコア「Intel Iris Pro 6200」の描画処理能力を測定する。
Sandraのメモリ関連テストでは、グラフィックスメモリに関して内部メモリ帯域もデータ転送帯域も大幅に向上している。メモリのレイテンシでは、CPU内部で見るとCore i7-4790Kからレイテンシが大きくなる傾向が出た。32Kバイト以下の1次キャッシュメモリに入りきる領域では、Core i7-4790Kの1.1nsに対して0.9ns、256Kバイト以下の2次キャッシュメモリに入りきる領域では同様に3.3nsに対して2.7ns、3次キャッシュメモリ(ただし、Core i7-5775Cは6Mバイト)の領域では10〜11ns前後に対して8〜9nsとなった。
ただし、この状況が4次キャッシュメモリ(Core i7-4790Kは非搭載)の領域から変わる。8〜64Mバイトの領域では、15ns前後に対して20ns以上とCore i7-5775Cが速い。システムメモリの領域は、再びCore i7-4790Kのレイテンシが短くなる。
キャッシュとメモリに関しては、レイテンシのテストと逆のパターンになる。3次キャッシュメモリまでの領域ではCore i7-4790Kで帯域が広く、Core i7-5775Cは4次キャッシュメモリに入る領域で逆転する。ただし、純粋なシステムメモリ領域に関してはDDR3-1600の環境では互角、DDR3-2133の環境ではCore i7-4790Kが平均700Mバイト/秒程度速い結果となった。
Sandraのグラフィックスメモリテストでは、Core i7-5775Cが内部メモリ帯域で1.7倍、データ転送帯域で1.45倍ほど高い値を出している。システムメモリとキャッシュメモリ関連のベンチマークテスト結果では、1次〜3次キャッシュメモリではCore i7-4790Kが優位、システムメモリでは互角といったところで、4次キャッシュメモリでCore i7-5775Cが優位に立ったとしても、全体としてみればごく限られた状況と考えていた。それが。グラフィックスメモリのテスト結果でCore i7-5775Cが大きく優位になったということは、グラフィックス処理におけるメモリアクセスで、4次キャッシュメモリが有効に機能しているように思われる。
MediaEspresso 7でのトランスコードテストでは、Core i7-5775CがCPU動作クロックを抑えているために、ソフトウェアエンコードにおいてCore i7-4790Kより処理時間がかかっている。一方、ハードウェアエンコードでは、エンコード・デコードともにCore i7-5775Cが短時間で処理を終えている。Quick Sync Videoを活用したいユーザーには、このテスト結果は注目したいだろう。
ソフトウェアエンコードのテストでは、x264 FHD Benchmark v1.0.1、x265 HD Benchmark v0.1.4も実施したが、どちらもCore i7-4790Kと比べ処理時間がかかっている。これもCPU動作クロックを低く設定しているためだ。ソフトウェアによる処理を重視する(使うアプリケーションがハードウェア処理に対応していないなど)のであれば、Core i7-4790Kを選択することになるだろう。
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