エプソンは9月1日、年末の年賀状シーズンに向けて個人向けインクジェットプリンタ/複合機の新製品5機種7モデルを発表した。同日に都内で開催した発表会では、新製品の特徴や販売戦略の説明、新機種の展示などが行われた。
今回発表されたのは、「カラリオ」シリーズの複合機が3機種(カラーバリエーションを含めて計5モデル)、年賀状プリンタが1機種、「プロセレクション」シリーズのA3ノビ対応フォトプリンタが1機種で計5機種7モデルだ。2015年9月10日より順次発売となる。各機種の概要については以下の記事を参照いただきたい。
発表会冒頭のエプソン販売 代表取締役社長 佐伯直幸氏によるあいさつでは、4つの事業領域「プリンティング」「ビジュアルコミュニケーション」「生活の質向上」「ものづくり革新」に対して、「マイクロピエゾ」「マイクロディスプレイ」「センシング」「ロボティクス」といった、同社のコア技術を生かした活動を展開していくと述べた。
さらに佐伯氏は「今年の1月から従来のプリンタに加えて、ウェアラブルといった新しい事業領域の商品を投入している。これらの商品も一歩一歩育てていきたい」と、新規事業への意欲もアピールしつつ、1975年にエプソンブランドを制定してから40年を迎えたことに触れ、「さらなる驚きや感動を皆様にお届けするという決意を新たに進んでいきたい」とコメントした。
今回の新製品については、セイコーエプソン 取締役 プリンタ事業部長の久保田孝一氏が説明した。2015年の個人向けプリンタは、ユーザーの声とニーズを受けて「写真とテキストの画質向上」「簡単操作の強化」「スマートデバイス向けアプリの高機能高画質化」という3つの製品戦略を掲げたという。
1つ目の「写真とテキストの画質向上」については、従来の6色インクに採用していたライトシアンとライトマゼンタを、グレーとレッドに変更した新インク「Epson ClearChrome K2」を新たに採用したことを紹介した。
グレーとレッドの特色インクを採用することにより、モノクロ写真印刷ではシャドウからハイライトまで滑らかな階調が表現可能になり、さらに赤や緑、黄の色再現範囲を従来機に比べて10%拡大することで、花や緑の被写体を美しく再現できるという。
さらに、肌色は自然な色合いのまま全体を鮮やかに仕上げる「高彩モード」や、風景写真のおいて暗部階調性の向上を図った自動色補正機能「オートフォトファイン!EX」など、さまざまな写真作品づくりをサポートする機能を新たに搭載、強化している。
写真だけでなく、文書のテキスト画質も向上。紙地の色を自動で消去する「背景除去モード」や「細線強調モード」「文字くっきりモード」などを備えた。
PCを使うことなく写真の選択から色編集、レイアウトができる作品印刷機能には、フラッグシップの「EP-10VA」のみ「モノクロ作品印刷機能」を搭載している。1つの写真で明るさやコントラスト、色調の設定が異なる複数パターンの写真を一覧表示し、実際の紙に印刷して仕上がりを確認してから本印刷が行える。
また、EP-10VAはA3サイズの連続給紙にも対応。従来は1枚ずつ手差し給紙のみだったの対し、A3サイズの写真用紙は最高5枚、普通紙では最高10枚まで連続給紙ができるようにな進化している。
4.3型液晶の使い勝手も強化された。画面いっぱいに写真表示が可能となり、撮影情報(Exif)の表示や、サムネイルのサイズ切り替えにも対応した。
2つ目の製品戦略として掲げた「簡単操作の強化」が分かりやすく具現化しているのは、PCを使わず簡単に年賀状が作成できる「PF-81」だ。2014年に発売された「宛名達人」シリーズ「E-850」がフルモデルチェンジしたモデルで、年賀状を原寸大で表示できる縦型の9型タッチディスプレイを採用、印刷結果をイメージしながら直感的に操作できるという。
1000種類のデザインテンプレートや、15種類のフォントを内蔵し、ユーザーはテンプレートと写真を選ぶだけで簡単に年賀状を作成できる。
この製品のターゲットはPC操作が苦手なシニア世代や、年賀状作成を自分で行い、普段は写真を簡単に印刷したい30〜40代の女性という。次に何をすればいいのか、といった使い方を解説する動画の再生機能、郵便番号枠の有無をチェックすることで、はがきのセットミスを判断する印刷失敗防止など、プリンタの操作に不慣れな人でも操作を迷わせない徹底的な使いやすさを追求したという。
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