マウスコンピューターの「LuvBook C」シリーズは、11.6型の液晶ディスプレイを搭載したお手ごろ価格のモバイルノートPCだ。
先日最新世代にリニューアルされ、OSに64ビット版Windows 10、CPUには開発コードネーム「Braswell」で知られるSoC(System-On-Chip)タイプのCeleron N3150を採用する。最大8Gバイトのメモリ、最大1TバイトのSSDを搭載できるなど、PCとしてしっかり使える実用的な基本スペックも特徴だ。
ラインアップには5種類のベースモデルが用意されているが、今回は8Gバイトメモリと128GバイトのSSDを搭載して税込み5万7024円のモデル「LB-C240S-SSD」を入手した。性能や使い勝手をレビューしよう。
LuvBook Cシリーズは、ジャストA4サイズのコンパクトボディの低価格モバイルノートPCだ。低価格でもしっかり使える基本スペックを備え、最新世代のモデルではCPUにCeleron N3150、OSに64ビット版Windows 10を採用するボディのサイズは、約292.4(幅)×210.5(奥行き)×22.7(高さ)ミリで、重量は約1.3キロだ。実測では1176グラムと公称値よりかなり軽かった。公称値と差があるのは気になるが、いずれにせよモバイルノートPCとして気軽に持ち運べる重さではあるだろう。
フラットでシンプルなフォルムを採用し、天板やパームレストはきめ細かくラメが入ったグレーの塗装がされている。粗めの梨地仕上げの底面からは低価格ノートPCらしさを感じるものの、目立たない部分であり、全体として外観の印象はよい。
背面部に着脱可能なバッテリーを搭載している。BatteryReportコマンドで見た容量はデザイン容量が31.08ワットアワー、フルチャージ容量が30.647ワットアワーだった。公称の駆動時間は約6.1時間だ。最近の製品としては長くはないが、モバイルノートPCとして実用になる水準はギリギリ満たしているといえるだろう。
ACアダプタは、本体は比較的コンパクトながら、ACケーブルが3ピンで少しかさばる。低価格なモバイルノートPCではよくあることで、このあたりは価格なりといったところだ。
背面側に着脱可能なバッテリーを搭載する。仕様は「11.1ボルト、2700ミリアンペアアワー」だ。公称駆動時間は約6.1時間だ。ACアダプター自体はコンパクト(実測で36×92×27ミリ)だが、ACケーブルが3ピンでかさばる点が惜しい。ケーブル含めた重量は実測で251グラムだった基本システムには、開発コードネーム「Braswell」の名で知られるSoC(System On Chip)タイプのCeleron N3150を採用する。CPUコアとGPUコアは、Surface 3などに搭載されているAtom x7/x5 Z8000シリーズ(開発コード名=Cherry Trail)と共通で、最新の14ナノプロセスルールで製造されている。
Atom x7/x5 Z8000シリーズがLPDDR3に対応し、eMMCやSDカードのインタフェースを内蔵するなどタブレット向けに最適化されているのに対し、このCeleron N3150は低価格のPC向けで、汎用性や拡張性では上回る一方、省電力性という面では少し見劣る。
先代にあたるCeleron N2940など(開発コード名=Bay Trail-M)と比べると、GPUコア内のEU(実行エンジン)が4基から12基に増量されるなど大幅に強化されており、ブラウザゲームなどもより快適にプレイすることが期待できる。プロセスルールが22ナノから14ナノに進化した影響か、TDPも7.5ワットから6ワットへと下がっている。
開発コードネーム「Braswell」ことCeleron N3150を採用する。CPUコア(開発コードネーム=Airmont)の構造は、Surface 3などのタブレットで採用されているAtom x7/x5 Z8000シリーズと共通だ
Celeron N3150が内蔵するGPUコアはナンバーなしの「Intel HD Graphics」。先代にあたるCeleron N2940からEU(実行エンジン)が3倍に増え、描画性能の向上を図っている。ただ、メモリはシングルチャンネルのようだ。GPUコアの性能が最大には発揮できない可能性があるメモリは、PC3L-12800に対応し、標準で8Gバイトを搭載する。データストレージも標準で120GバイトのSSDと、パソコンとして文句のない仕様だ。BTOではSSDの容量およびブランドを6種類の選択肢の中から選べる。評価機ではIntel 535シリーズ(INTEL SSDSC2BW120H6)が搭載されていた。これは標準構成から4900円の追加で指定できる。
通信機能は、1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth V4.0+LEを標準で装備する。本体装備の端子は、有線LANのほか、USB 3.0が1基、USB 2.0が2基、HDMI出力、アナログRGB出力(D-Sub15ピン)、ヘッドフォン出力、マイク入力と必要十分な装備だ。
右側面には、SDメモリーカード(SDXC対応)、メモリースティック(Pro対応)などに対応するマルチカードリーダーを、液晶上部には100万画素のWebカメラも装備する。
11.6型サイズの液晶ディスプレイの解像度は、1366×768ピクセルと、低価格ノートPCとしては標準的だ。液晶の配向方式は記載がないが、上から見た時の視野角が狭く、TN方式と思われる。
表面は光沢(グレア)仕上げで、反射光が拡散しないため鮮やかに見えるが、照明や外光は映り込みやすい。高画質とはいえないものの、輝度も十分あり、色味も比較的素直で、見た目の印象は悪くない。
11.6型液晶ディスプレイの解像度は1366×768ピクセルだ。表面は光沢仕上げで鮮やかに見えるが、照明などは映り込みやすい。輝度を下げて使ったり、ナナメから見たりすると気になる印象だ。TNパネルと思われるが、最大輝度は十分で、ギラつきもなく、視認性は悪くない
i1 Display Proの計測結果から作成したICCプロファイルを色度図表示ソフト「ColorAC Ver.0.766」(Phonon氏・作)で表示した。外側の点線がsRGBの色域で、実戦が評価機の色域だ。sRGBカバー率は65.8%だアイソレーションタイプのキーボードを搭載している。キーピッチは実測で約18ミリ×約17ミリで、キーストロークも公称値約1.5ミリとしっかりと押し込める深さを確保している。若干反発は強めに感じるものの、キーボード裏の剛性感があってたわみなどはなく、しっかりしたタッチ感だ。
キーボード手前にはタッチパッドがある。左右一体型のボタンは奥行きがなく、ストロークも浅いため押しやすいとは言いがたい。シナプティクス製ドライバが導入されており、スクロールやズーム、回転などのジェスチャー機能が使える。
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