「Surface Book」はペン付き大画面タブレットの本命か――USモデル先行レビューiPad Proとの比較も(2/5 ページ)

» 2015年12月13日 06時00分 公開
[ドリキンITmedia]

大画面タブレットとしてみたSurface Bookの魅力

 Surface Bookをタブレットとしてみたときに最大の特徴となるのはやはり13.5型の大画面でしょう。一足先に日本でも発売が開始された「iPad Pro」の12.9型と比較してもさらに1回り大きい液晶ディスプレイを備えています。

 解像度も3000×2000ピクセルの約267ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)で、iPad Proの2732×2048ピクセルで約264ppiの液晶と比べても画素密度はほぼ互角です。ピクセルサイズの違いがそのまま画面サイズの差という感じでしょうか。

 Appleは自社の高解像度ディスプレイをRetinaディスプレイと名付けて高画質と高性能をうたっていますが、同様にMicrosoftもSurface Book/Pro 4の高解像度ディスプレイにPixelSenseディスプレイという名前をつけてアピールしています。

 面白いのがSurface BookとiPad Proのサイズの差です。本体だけ比較すると両者のサイズ差はほぼ互角でした。Surface Bookは220.2(幅)×312.3(高さ)×7.7(奥行き)ミリで約728グラム、iPad Proは220.6(幅)×305.7(高さ)×6.9(奥行き)ミリで約713グラム(Wi-Fiモデルの場合)と、予想外にサイズが近いです。

 実際、僕も両方を並べてサイズの比較をしてみましたが、あまりにも似ていてびっくりしました。ただし液晶ディスプレイを見てみると、Surface Bookのほうが明らかに画面サイズが大きいです。Surface Bookの+0.6型ぶんの液晶サイズ差はiPad Proより額縁部分が狭いことで実現されています。

Surface BookとiPad Proの画面サイズ比較 本体サイズだけで比較するとかなりサイズの似ているSurface Book(左)とiPad Pro(右)
Surface BookとiPad Proの厚さ比較 薄型ノートPC用の第6世代Core Uプロセッサを搭載したSurface Book(下)はファンと通風口があるため、iPad Pro(上)より厚みがある。とはいえ、7.7ミリ厚/約728グラムはCore i7搭載PCとして最薄最軽量だ
Surface BookとiPad Proの箱サイズ比較 本体サイズは同じくらいなのに箱のサイズは大幅に違うSurface Book(下)とiPad Pro(上)

 液晶ディスプレイの品質については、現状のタブレット系デバイスの中でもトップレベルを実現していると思います。実際、僕自身iPad ProやSurface Pro 3も使っていますが、Surface Bookの液晶ディスプレイはそれらのデバイスと比較しても負けず劣らず、同等以上の品質だと感じました。

 特に感心したのは、ガラス表面と液晶表示部分のすき間の狭さです。一般的にタッチパネル型の液晶ディスプレイではどうしても液晶表示部分とタッチする液晶表面のガラスコーティングとの間にすき間が生じます。iPad Proをはじめ、最近の高品質タブレットの液晶ディスプレイではこのすき間をいかに埋めるかに技術を注いでいますが、同様にSurface Bookにおけるガラス面と液晶面のすき間は極めて極小です。

 このすき間が狭いと、ガラスカバーの厚さや白っぽい光の反射を感じにくくなり、液晶ディスプレイの表示が表面に浮き上がってより高画質に見えます。また、指でタッチした画面をそのまま動かしているような直感的な操作感も得られます。

 なお、詳しくは後述しますが、このすき間の狭さはペン操作における操作感の向上にも大きな影響を与えます。Surface Bookがペン操作を重視して、ペン自身だけでなくボディデザインや液晶ディスプレイ側からも最適化を行っていることがよく分かります。

日本語の表示も美しいPixelSenseディスプレイ

 また、高解像度液晶ディスプレイの恩恵は、実は日本語表示においても大きな可能性を秘めています。従来、Macと比較してWindowsが不利になるのが日本語フォントの表示品質でした。

 過去の低解像度液晶ディスプレイでは、日本語フォントの持つ複雑な形を再現することが難しいため、OSの持つフォント表示技術の差が表示品質の差に直結していました。これが高解像度液晶ディスプレイになると、画素密度が十分高いので、複雑なフォント形状も表現でき、フォント表示技術の差による見た目の違いが少なくなります。

 実際同じフォントをRetinaディスプレイのMacBookとSurface Bookで表示させた場合、ほぼ同等の表示品質が実現できることが確認できました。ここまで来ると最後のとりではフォント自身です。Windowsがより高品質な日本語フォントを搭載すれば、劇的に日本語フォントの品質向上が期待できるので、Microsoftにはもう1歩踏み込んだ日本語環境の改善を強く願わずにはいられません。

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