ここであらためて本体の仕様を確認しておこう。CPUには、マイクロソフトの「Lumia 950」と同じQualcomm製の「Snapdragon 808」(6コア)を搭載。Windows 10 Mobileの中でもハイエンドに位置する製品となる。画面も5.5型フルHD(1920×1080ピクセル)と大型だ。背面には2100万画素、前面には800万画素のカメラも搭載する。
インタフェースとしてはUSB Type-Cを搭載し、Lumia 950/950 XLと同じく有線接続によるContinuum for Phones機能に対応する。
メモリも重要な点だ。マイクロソフトによればContinuumの動作に必要なメモリは出力する画面解像度によって異なり、720pで2GB、1080pで3GBとしている。Jade Primoは3GBを搭載しており、1080p(フルHD)でのContinuum利用をサポートするとしている。
USB Type-C対応のドッキングステーションは、別売りではなく付属する。これに対してマイクロソフトはUSB Type-Cのドックを99ドルで別売りしており、「Jade Primoはドックを付属しながら、Lumia 950と同程度の価格で販売する」(Acer担当者)と違いを強調する。欧州でのJade Primoの価格は569ユーロと発表されており、Lumia 950(599ユーロ)よりも確かに安い。
ドッキングステーションの展示機はHDMI出力と標準サイズのUSBポート3基を備えていた。Jade Primo本体をドックに置くことで、HDMIで外部ディスプレイに出力しながらUSBキーボードやUSBマウスといった有線のデバイスを利用できる。データと給電を同時にまかなえるUSB Type-Cの特徴を生かして、Jade Primo本体にも給電できる仕組みだ。
さらにAcerは、CES 2016に合わせてUSB Type-Cポート搭載ディスプレイ「Acer H7」シリーズを発表している。このポートにJade PrimoをUSB Type-Cケーブルで直接つなぐことにより、Continuumをドックを介さずに有線接続で利用できることも示していた。
実際に試してみた感触としては、Lumia 950と同様に安定して動作していた。Windows 10 MobileのContinuum機能自体に、まだまだパフォーマンスの最適化を期待したい面はある。無線接続でも十分実用的に感じるContinuumだが、USB Type-Cによる有線接続にはさらに高い安定性を感じる。マウスを素早く操作しても、カーソルがしっかり追従する印象だ。
有線接続でContinuumを利用できる点では、Lumia 950も同じ。だがJade PrimoならドックにJade Primoを置くだけで、即座に大画面ディスプレイで仕事ができる。誰もが思い描く「Continuum for Phones」のイメージを、直接的に実現したといえるのではないだろうか。Acerは日本もJade Primoのターゲット市場としていることから、今後の情報提供に期待したい。
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