「iPhone 12 Pro Max」の特別なカメラを検証して分かった“こだわりの差”:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/5 ページ)

» 2020年11月09日 23時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

ポートレードモードの高い切り抜き精度を実感

 望遠カメラの65mmという焦点距離は、屋外でのバストアップの撮影にぴったりだ。ポートレートモードとの組み合わせで使いたいと考えている方も多いだろう。

 次のショットはiPhoneのポートレートモードが不得手な要素を意図的に盛り込んだ。腕を上げて髪の毛を触り、さらに指で輪を作っている。以前ならば、腕と顔の間、指で輪を作った間の領域は、背景として認識できずボケてくれないといったエラーが起きていた。

 しかし、iPhone 12 Pro Maxではしっかりと切り抜きができている上、髪の毛の判定もより精度が上がっているため、かなり自然な仕上がりになっている。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Maxで撮影(クリックすると実寸表示)

 もちろん、拡大して画素ごとに検証してみると、必ずしも完璧とはいえないのだが、そこはApple自身も認識しているのだろう。写真ごとにシミュレートするF値(ボケ具合)が最適化されているため、不自然になりすぎない程度のボケ味に自動で設定してくれる。

 もうひとつよく似たシーンでの写真だが、ポニーテールの髪束と首、肩のラインに囲まれた部分もきれいに抜けているのが分かるだろうか。さらに髪の毛の境目はきっちり切り抜くのではなく、背景と髪の毛の境目のボケをやや抑えるような処理になっている。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Maxで撮影(クリックすると実寸表示)

 このショットでは編集でボケ具合をF4.5からF2.8相当にまで増やしている。以前ならば、F2.8相当にまでボケ量を増やすと不自然に浮いたショットになっていたが、これも改善された。被写体のトーンが立体的に描かれることもあるのだろうが、さほど違和感を覚えない処理になっていると思う。

 ただし1箇所、首筋の右にある背景の一部(煉瓦色の建物)がうまく処理されていない。理由は分からないが、ネックレスのラインと壁の面が一致してしまっているのが原因かもしれない。別のショットでは問題はなかった。

 もっとも、これは手動で合わせた場合の話で、一般的には編集機能でF値を変更してしまわない限りにおいては、ここまで極端にボケ具合の問題が出ることはなく、おおむね満足できる結果が得られる。

 グラスの縁など判別が難しい被写体ではうまくいかないことは、これまでとも変わらないのだが、ポートレードモードというぐらいで、人物以外の切り抜き制度に関してはおおむねできる程度に考えておくのがいい。

 個人的におすすめなのは、せっかく伸びた焦点距離を生かし、ポートレートモードを使わずにそれらしい写真を撮影することだ。作例はポートレートモードを使わずに撮影したもので、ボケ量も多くはない。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Maxで撮影(クリックすると実寸表示)

 しかし描写は自然で、より立体感を個人的には感じる。被写体、背景、自分の位置との関係を考える必要はあるが、望遠カメラを使う際には光学的な特徴を生かす方向で使いこなす方が、iPhone 12 Pro Maxのよさを引き出せるだろう。

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