「iPhone 12 Pro Max」の特別なカメラを検証して分かった“こだわりの差”:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/5 ページ)

» 2020年11月09日 23時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 iPhone 12シリーズが発表された際、昨年は「iPhone 11 Pro Max」を選んだ筆者も今度は「iPhone 12 Pro」にしようか、などと考えた。「iPhone 11 Pro」は画面サイズが5.8型で「iPhone 11」の6.1型より小さかったが、iPhone 12 Proは「iPhone 12」と同じ6.1型に拡大されたことで、画面サイズと性能、機能のバランスがよくなったからだ。

 また、ボディーサイズの大きさから片手でのハンドリングが難しいと感じていた6.5型のiPhone 11 Pro Maxよりも大画面になった6.7型のiPhone 12 Pro Maxには興味をひかれなかったこともある。

iPhone 12 Pro Max iPhoneシリーズ過去最大の6.7型ディスプレイを備えた「iPhone 12 Pro Max」

 ところが、今年はiPhone 12 Pro Maxの内蔵カメラだけ、他のiPhone 12シリーズと異なるという。iPhone 11 Proと11 Pro Maxの内蔵カメラには違いがなかったので、この変更は見逃せない。Appleにしてみれば、モデル間の商品力にバランスを取ったということなのだろうが、その違いについて考証すると、確かにiPhone 12 Pro Maxをあえて選ぶ理由もありそうに感じる。

 スマートフォンを単純な情報ツールとして捉えるなら、「iPhone 12 mini」がiPhone 12シリーズの中ではベストバランスと感じている筆者だが、では違うとされる12 Pro Maxが持つカメラの実力とはどんなものなのか。

iPhone 12 Pro Max 3つのアウトカメラを搭載したPhone 12 Pro Maxの背面。画面サイズが大きいだけでなく、カメラにもこだわっている

 既にiPhone 11世代とiPhone 12世代の違いについてはレポートしているため、最大画面サイズとなるiPhone 12 Pro Maxを選ぶだけの魅力が、その内蔵カメラにあるかどうかという視点で記事を進めたい。

12 Pro Maxとそれ以外のカメラの違い

 iPhone 12 Proと12 Pro Maxでは、広角カメラと望遠カメラが異なっている。言い換えれば超広角カメラは全く同じもので、撮り比べても違いが出ることはない。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Max(左下)、12 Pro(右下)、12 mini(右上)のカメラ部。12 Pro Maxと12 Proはどちらも3つのアウトカメラを搭載するが、広角カメラと望遠カメラが異なる

 両者の違いの中で最も大きく、また読者が気にするだろう点はiPhone 12 Pro Maxの広角カメラが採用するイメージセンサーが大きくなっていることだろう。画素あたりの受光部は47%拡大した。1.7μmという画素面積で表示するところがAppleらしいが、実際に画素センサーが受けるフォトン(光子)の量は47%増えることになる。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Maxの広角カメラは12 Proより大型のセンサーを搭載する

 センサーサイズという観点で見ると、おおよそ20%の拡大だ。撮影された写真のExif情報を見ると、iPhone 12 Pro Maxの実焦点距離は5.1mmとなっている。それ以外のモデルでは4.2mmだが画角は同じだ。つまり、この焦点距離の差がセンサーの対角サイズの比率ということになる。

iPhone 12 Pro Max センサーサイズが大きい一方、広角カメラの明るさF1.6、焦点距離26mm相当(35mmフィルム換算)という基本スペックは12 Proと同様だ

 デジタル方式のカメラにおいて、センサーサイズの違いは大きいが、さらにiPhone 12 Pro Maxは手ブレ補正の方式も変えている。光軸補正のレンズを動かすレンズシフト式から、センサーを動かすセンサーシフト式へと変えられたのだ。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Maxの広角カメラはセンサーシフト式の手ブレ補正機能をiPhoneで初めて採用した

 なお、レンズシフトとセンサーシフトには、それぞれ異なる特徴があり、必ずしもセンサーシフト式が優位というわけではない点は最初に言及しておきたい。

 一般的にセンサーシフト式は広角領域では効果的で、手ブレ補正の軸も多く取ることができる(ただしiPhoneのセンサー式手ブレ補正が効く軸数は不明)。望遠領域ではレンズシフト式が優位であるため、両方を併用する一眼カメラなどもあるが、広角カメラへの採用なのでレンズシフト式だけでも十分だろう。

 望遠カメラの違いは、iPhone 12 Proでは52mm相当(35mmフィルム換算、以下同)だった焦点距離が12 Pro Maxでは65mm相当(広角カメラの2.5倍)に伸びたことだ。この変更に伴い、明るさ(F値)はF2.0からF2.2へと少しだけ暗くなっているが、単純に暗くなったというわけではない。

iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro Maxの望遠カメラは焦点距離が65mm相当に伸びている。明るさはF2.2だ

 F値は焦点距離を有効口径で割った数値であるため、同じレンズ口径ならiPhone 12 Pro Maxの望遠カメラはF2.5になるはずだが、より明るいF2.2というスペックになっている。これはiPhone 12 Pro Maxの望遠カメラを設計するにあたり、より大きな口径のレンズを採用しているということだ。

 本体サイズが大きくなっていることで、広角カメラのセンサーサイズや手ブレ補正方式、そして望遠カメラの焦点距離など、さまざまな部分で違いを出そうとしていることが分かる。

iPhone 12 Pro Max 純正カバーを付けた状態のiPhone 12 Pro Max(左)と12 mini(右)。iPhone 12 Pro Maxはレンズ部分が12 miniより厚く、ケース周囲のガードが高くなっている。スペックに現れない部分だ
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