ゲーミングPCを売ってください――ソフマップが異例の呼びかけ 背景は?

» 2026年01月08日 14時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
ソフマップゲーミング ゲーミングPC ソフマップ

 1月7日、PC販売店のソフマップが運営する公式Xアカウントの1つ「ソフマップゲーミング」が、「ゲーミングPCを売ってください」という趣旨の投稿を行った。異例ともいえる、在庫の確保に向けた呼びかけだ。

 当該ポストからは、現在の中古ゲーミングPCの供給不足の深刻さが伺える。大手の中古販売店ですら、販売する製品の確保に窮していることも分かる。

 この極端な品不足の背景には、2025年11月頃から顕著になった、メモリを中心とするPCパーツの価格急騰があると思われる。半導体メモリの原材料価格の上昇に加え、主要な製造拠点における生産調整が重なったことで、DRAMやNANDフラッシュの取引価格が跳ね上がり、これに連動する形でPC本体の価格も上昇に転じた。PCの構成パーツの中でもコスト比率が高いメモリの変動は、完成品の販売価格に直結する。

 さらなる価格高騰を懸念してのことなのか、今のうちに高性能かつ高価なゲーミングPCを確保しようとする駆け込み需要が発生した。

 また2025年12月以降には、年末年始の休暇によって生産ラインが完全に停止した。マウスコンピューターやTSUKUMO(ツクモ)といった国内のBTOメーカーでは、一部製品において1カ月以上の大幅な納期遅延や、全製品の受注停止が発生する事態となった。2026年に入って受注を再開し始めてはいるのものの、特定のグラフィックスカードを搭載したモデルの受注を制限したり、標準的な構成ですら納期目安を示せなかったりといった状況は続いている。

ソフマップゲーミング ゲーミングPC ソフマップゲーミングによるポスト全文。投稿からゲーミングPCの供給不足の深刻さが伝わり、市場全体の在庫が極めて窮迫した事態にあることが分かる

「ここまでの深刻な品不足は過去にあまりない」との声も 

 ソフマップゲーミングの投稿に対して、SNS上では多くの反応が見られた。

 あるユーザーは、以前から冗談交じりに話されていた「ショップから売るものがなくなる日」が現実味を帯びてきたことに強い懸念を示し、体力のない店舗が淘汰(とうた)される可能性を指摘している。PC業界に長く身を置く人々からも、ここまでの深刻な品不足は過去にあまりないという声が上がっている。

 また、中古の買い取りに関する具体的な相談も相次いだ。それに対してソフマップゲーミングは、組み立てに失敗して動作しなくなった個体についても、パーツ単位での査定が可能である旨を回答している。ストレージを抜いた状態での買い取り希望に対しては、OSのライセンスやSSDの有無が査定額に大きく影響するため、安価なSSDにOSを再インストールした状態での持ち込みを推奨する趣旨のリポストも見受けられた。自作PCそのものの買い取りについても可能であるという回答からは、店舗側が何とかして1台でも多くの在庫を確保しようという姿勢が伺える。

 一方で、「Core i7-4790」や「DDR3メモリ」を搭載した旧世代のデスクトップPCに関する相談では、スペック的に買い取り価格を付けることが難しく、処分引き取りに近い形になるという回答もしている。ソフマップゲーミングとしては、あくまで最新のゲーム環境に耐えうる性能、あるいはそれに準ずるパーツ構成を求めているようだ。

 BTOメーカー各社の納期遅延が解消されない限り、中古市場への供給も限定的にならざるを得ない。メモリ価格の高騰に端を発した今回の混乱は、生産ラインの再稼働や物流の正常化を待たなければ根本的な解決には至らないだろう。

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