1月6日から9日(米国太平洋時間:以下同)まで米ネバダ州ラスベガスで開催されている「CES 2026」だが、一部の大手企業は開始前日の1月5日からキーノート(基調講演)を実施している。同日にCore Ultraプロセッサ(シリーズ3)を発表したIntelもその1社で、リップブー・タンCEOとジム・ジョンソン氏(クライアントコンピューティンググループ担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー)が登壇して、自社の取り組みをアピールした。
この記事では、その模様をお伝えする。
今回の基調講演でメインを飾ったのは、Intel“渾身の”新世代CPUである、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)だ。「Panther Lake」という開発コード名で知られる同CPUを搭載するPCは、1月6日から一部で予約を受け付けており、1月27日から順次発売となる予定だ。
このCPUについては、既にアーキテクチャの詳細が発表されている。技術面の“深掘り”は、拙著を含む過去の記事を参照してほしい。
さて、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)は最初のアナウンスからだいぶ時間も経ったので、改めて整理しておこう。
CPUコア(Computeタイル)は先代と同様にハイパースレッディング(マルチスレッド)非対応で、性能重視の「パフォーマンスコア(Pコア)」、低電力重視の「高効率コア(Eコア)」、さらに消費電力を抑えた「低電力Eコア(LP Eコア)」の3種類からなる。その組み合わせだが、以下の3種類が用意されている(いずれも「Intel 18A」プロセスで生産)。
GPUコア(GPUタイル)は、アーキテクチャ的には「Xe3 GPU」と呼ばれている。その中核となる「Xeコア」の数は、以下の3種類が用意されている。
Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)は、これらCPUタイルとGPUタイル(とPlatform Controllerタイル)を組み合わせて作られる。パッケージとして存在するのは以下の3種類だ。
これを見て「あれ?」と思った人もいるかもしれない。「8コアCPU+12コアGPU」という組み合わせが存在しないのだ。これは、意図的に用意しなかったものと思われる(他にも疑問点はあるが、後回しにする)。
さて、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)のラインアップだが、速報記事にもある通り13モデル用意されている。
モデル名の数字は全て300台となり、モデルによって「X」というプレフィックスや「H」といったサフィックスも付与するような形となっている。これはどういう意味なのだろうか。
また、先述したパッケージにはない「6コアCPU」「12コアCPU」や「10コアGPU」が存在する。これも、どういうことなのだろうか。
まず「X」のプレフィックスは、12コアGPUを搭載していることを示している。言い換えると、グラフィックス性能に優れた上位モデルという位置づけだ。パッケージにない「10コアGPU」なのだが、これは製造(歩留まり)の都合で12コアGPUの2コアを“無効化”したもので、これを搭載するモデルには「X」は付かない。
そして「H」のプレフィックスは、16コアCPUを搭載していることを表している。パッケージにない「12コアCPU」は、製造の都合で16コアCPUの4コアを“無効化”したものだが、GPUとは異なり12コアCPUであっても「H」のサフィックスは付く。
今回のラインアップを見て、ワークステーション/ハイエンドゲーミングPC向けの「HX」モデルがないことに気付く。これは、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)がPanther Lakeを名乗っていた頃からバッテリー駆動時間重視の“効率最優先”で開発が進んだことに起因する。
その代わりに、というわけではないだろうが、より高性能を求める人に用意されたのがCore Ultra X7/X9ということになる。
Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)はLPDDR5-9600メモリ、Thunderbolt 5(別チップが必要)、PCI Express 5.0、Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0など、入出力回りやプラットフォーム機能は“全て”最新の物にアップデートされた。この点については、モデル間に大きな差異はない今回、しれっと“Ultra”の付かない「Coreプロセッサ(シリーズ3)」の登場も予告された。
Ultraの付かないCoreプロセッサは「シリーズ1」「シリーズ2」共に第13/14世代のCoreプロセッサをリファインしたモデルだったので、シリーズ3も「古いアーキテクチャのリファインかな?」と思うかもしれない。しかし、今回のシリーズ3は“最新の”Panther Lakeベースとなっている。
Coreプロセッサ(シリーズ)のCPUは「Pコア2基+LP Eコア4基(計6コア)」、GPUは「Xe3 GPUコア2基」という構成なのだが、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)とは異なりGPUコアから「レイトレーシングユニット」を“意図的に”省いている。「画面を表示するためのGPU」に徹した格好だ。
入出力回りをつかさどるPlatform Controllerタイルも、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)とは異なるものを搭載している。PCI Expressバスは「PCI Express 4.0」6レーンのみとし、直結のThunderbolt 4ポートは最大4基から最大2基に減らされた。一方で、USB 2.0/USB 3.2 Gen 2(USB 10Gbps)ポートの数やWi-Fi 7/Bluetooth 6.0通信機能はUltra付きと変わらない。
各種タイルのプロセスノードはCore Ultraプロセッサ(シリーズ3)の8コアCPU+4コアGPU構成と同じだが、どのタイルも本CPU向けの“新規製造品”で、品質テストではじかれた選別品ではないそうだ。下位モデルのために、わざわざタイルを別途作るのは興味深い。
ちなみに、CPUの標準TDP(熱設計電力)だが、Core Ultraプロセッサ(シリーズ3)が一律25Wなのに対して、Coreプロセッサ(シリーズ3)は15Wとなる。薄型/軽量を重視した、リアルモバイル系の超薄型ノートPC向けCPUという位置付けとなりそうだ。
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