「iPhone SE(第3世代)」を実際に試して分かった違い 第2世代と写真を撮り比べてみた本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)

» 2022年03月15日 16時30分 公開
[本田雅一ITmedia]

「基本形」だが廉価版ではないiPhone SE

 iPhone SEが年間を通して最も多く販売される理由は、iPhoneの中では最もアフォーダブル(購入しやすい)な価格帯に設定されているためだ。このため普及モデルという言い方をされることもあるが、廉価版というわけではない。第3世代iPhone SEの価格はApple Storeで5万7800円からだ。

 冒頭でも触れたように、Appleは安普請だと感じられる端末を作ることを嫌っているようだ。もともとのiPhone 8は高級モデルとして設計されたもので、生産拠点こそ異なるが、その基本的な機構設計はSEでも変わらない。

 それは前面と背面に採用された強化ガラスにも見て取れる。第3世代iPhone SEではiPhone 13・13 Proと同じ強度のガラスにアップデートされているのも、高級モデルとして傷や経年変化に強い外装とするためだ。フレームに採用された7000番台のアルミ合金もiPhone 13と同等で、こちらも普及価格帯の製品に多いプラスチック素材よりも、数年を経ての劣化が目立ちにくい。

iPhone SE 第3世代iPhone SEは、iPhone 13・13 Proと同じ強度のガラスを前面と背面に採用。フレームのアルミ合金も上位モデルに見劣りしない

 そもそもSoCのA15 Bionicは、業界内でも最も高パフォーマンスなスマートフォン向けチップだ。Android端末でいえば、ハイエンドの端末に相当する高性能である。Appleは定期的にiPhone SEをアップデートしていくことで、iPhoneが生み出すアプリ市場のベースラインを底上げし、新しいアプリ、よりSoCの機能を生かしたアプリが登場することを促している。

 利用者側の視点でいえば、1台のスマートフォンを使い続ける年数が延びている昨今、安心して購入できる、最も高性能な(将来も使い続けられるだけの性能の余裕がある)製品といえよう。

搭載カメラのモジュールは第2世代iPhone SEを踏襲

 ところで、なぜiPhone SEはアフォーダブルなのだろうか。それは外装部品の素材や通信モデム、アンテナ設計などを妥協しているからではない。機構設計や使用するコンポーネントの多くを引き継ぐことで、設計コストや生産時の組み立てコストなどを抑えられるからだ。

 一方でSoCを最新にすることで、自然とアップデートされる機能もある。それはカメラ、マイク、スピーカーなどの画質や音質だ。信号処理のレベルが最新iPhoneと同じになることで品質が向上する。

 特にカメラへの影響は大きい。ホワイトバランスとトーンマッピング(明暗階調の割り付け)に無視できない違いがあり、ディテールの深さや暗所撮影での若干のノイズも改善している。

 第2世代iPhone SEの方が明暗のコントラストがついて、局所的にはパリッと鮮明に見える。しかし写真全体を見渡すと、やや不自然な傾向も感じられる。つまり被写体と背景、中景など、それぞれのパートはよく見えるのだが、写真全体ではアンバランスだ。

 これが第3世代iPhone SEになると、パリパリにコントラストを高めた写真ではなく、1枚の写真全体でのトーンを合わせるようになる。一見すると第2世代iPhone SEの方が見栄えがするのだが、第3世代iPhone SEは不自然に感じるシーンが少ない。

 第2世代、第3世代、どちらのiPhone SEも搭載するカメラモジュールは全く同じ(背面に1200万画素の広角カメラ1つ)であるため、これらの違いはSoCによる映像分析の掘り下げ、そこからくる画像処理の積極性、トーンマッピングの違いということになるだろう。ホワイトバランスの調整もかなり違うようだ。

 幾つか比較用に作例を撮影してみた。特に違うのは柚子の写真だろうか。皮の雰囲気がゴツゴツとしすぎる第2世代iPhone SEの写真は、コントラストをエンハンスし過ぎているからとも受け取れる。線路周囲の石の描写も第3世代iPhone SEの方が立体感があり、空と看板の対比では空の色があざとく青すぎるのが第2世代iPhone SEだった。同様の傾向はiPhone 11と13の違いでも存在する。

iPhone SE 第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)
iPhone SE 第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  2. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  3. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  4. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  5. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
  6. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  7. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  8. リュック1つで展示会セミナーの音響セット構築レポ 現場で得た“2.4GHz帯混信地獄”を生き抜く教訓 (2026年03月11日)
  9. エンスージアスト向けCPU「Core Ultra 200S Plus」登場 Eコア増量+メモリアクセス高速化+バイナリ最適化でパフォーマンス向上 (2026年03月11日)
  10. 最新Core Ultra X7 358Hの破壊力! 16型OLED搭載で内蔵GPUがディスクリート超え!? Copilot+ PC「Acer Swift 16 AI」レビュー (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年