人気スマホの特徴的なカラバリがモデルチェンジで消滅してしまう裏事情:牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

» 2022年07月27日 16時00分 公開
[牧ノブユキ,ITmedia]
前のページへ 1|2       

色の調合に振り回されるサードパーティーメーカー

 こうした色の配合にまつわるトラブルは、スマホやタブレットよりも、むしろPC周辺機器やアクセサリーのかいわいで発生しやすい。特に1990年代から2000年代にかけて、iMacをはじめとしてカラーバリエーションが大量に投入されたときには、こうしたトラブルがつきものだった。

 なぜPC周辺機器やアクセサリーでこうしたトラブルが起こりやすいかというと、PC本体の横に並べて使われるせいで、色味を常に比較されるからだ。メーカー純正の周辺機器やアクセサリーではこれらの色は完全一致しているため(多くは同じ業者が生産しているので当然だ)、こうした問題は起こらないが、サードパーティーのメーカーにとっては、色を合わせるというのは文字通りの生命線なのだ。

 しかし前述のiMacや初期のVAIOなど、当時ヒットしていたPCは、繊細なカラーであることがほとんどで(ボンダイブルーはその最たる例だ)、サードパーティーの事業者は色を合わせるために涙ぐましい努力を強いられた。勘頼みで色を調合して初回ロットは好評を博したものの、増産時にその色を再現できずにクレームが付き、店頭から回収された後、それっきり廃番になる事例もあったほどだ。

 もっとも色がそっくりに調合できたときの効果は抜群で、中身、つまり周辺機器本体の性能が悪くとも、色がPC本体と酷似しているというだけで爆発的に売れることもあった。メーカーの倉庫で眠っていた過剰在庫のHDDが、たまたまiMacのあるカラーに本体色が酷似していたというだけで、在庫が瞬殺された例もある。

 最近のスマホやタブレットでは、あえてカラーが異なるケースなどを組み合わせるのもファッションとして定着しているので、こうしたPC周辺機器のような例はまず聞かない。しかしこうした色の調合の難しさが、モデルチェンジの度にカラーバリエーションを微妙に変更する一因になっているのは間違いない。

 逆にホワイトやブラックが、なぜ定番のカラーとして確立されているかというと、色の調合が簡単で、再現するのが容易だからだ。PCやスマホ、タブレットを買い替えても周辺機器やアクセサリーはそのまま使い続けたいという場合、ホワイトやブラックでそろえておけば、こうした問題は起こりにくいだろう。

著者:牧ノブユキ(Nobuyuki Maki)

IT機器メーカー、販売店勤務を経てコンサルへ。Googleトレンドを眺めていると1日が終わるのがもっぱらの悩み。無類のチョコミント好き。HPはこちら


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  7. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  8. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  9. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー