テストに利用したのはCrystalDiskMark 8.0.4(デフォルト/NVMeパターン)、PCMark 10 Full System Drive Benchmark、3DMark Storage Benchmarkだ。
テストのスコアは下記の通りで、比較としてCrutial T700(2TB)の値も掲載した。CrystalDiskMarkでは公称値通りのスコアを記録しており、T700を超えたのはもちろん、高速なPCI Express 4.0対応SSDの約2倍の性能を実現しているのが分かる。体感速読に影響があるランダムリード(Q1/T1)も毎秒95MBと高速だ。
T705が採用しているNANDフラッシュの速度が、毎秒2400MT(T700は毎秒2000MT)に引き上げられたのが要因だろう。
続くPCMark 10 Full System Drive Benchmarkは6000を超え、3DMark Storage Benchmarkのスコアも5000後半と圧倒的なスコアでT700を上回った。ビジネス/ゲーム用途を問わず、非常に快適に利用できるだろう。
この圧倒的な性能の一方で、気になるのが発熱面だ。今回のテストはミドルタワーケースに組み込んだ状態で、SSDのヒートシンク周辺にも空気が流れるようにしている。
試しに、CrystalDiskMark 8.0.4を3回連続実行した際の温度推移は下記の通りだ。
温度の推移(室温は28度) | ||
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アイドル時 | 33度 | |
1回目 | 63度 | |
2回目 | 67度 | |
3回目 | 71度 | |
室温が異なるのでT700との直接比較はできないが、それでもT705のポテンシャルをフルに引き出すには適切な冷却が欠かせないのが分かる。今回はヒートシンクありモデルを利用したが、冷却に万全を期すならば、アクティブ冷却ファンを備えたM.2 SSD用クーラーを別途装着した方がいいだろう。また、TLC型なのでSLCキャッシュ超過後は速度が低下するため、空き容量には気をつけたい。
このように、冷却面を含めPCI Express 5.0 x4接続のSSDをフルに生かせるシステムを用意できるなら、T705はシステム/データ/ゲーム用ストレージのいずれでも素晴らしい性能を発揮してくれる。PCI Express 5.0 x4接続のSSDが市場で流通するようになってから、ほぼ1年で規格の帯域を使い切るモデルが登場したのは驚きだ。
今回テストしたIntel環境(具体的には第12世代Core〜Coreプロセッサ第14世代)ではPCI Express 5.0はCPU直結の16レーンのみのため、T705のようなSSDを利用すると、グラフィックスカードの接続が8レーンに制限される。大半の用途では問題がないとはいえ、そこが気になるならRyzenやXeonなど他の環境での導入を検討したい。
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