5990円で買えるバッファローの“半固体”モバイルバッテリーを試す 安全性と利便性は両立できているか?(1/2 ページ)

» 2026年04月16日 17時00分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]
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 「電車内での発火」や「就寝中の出火」など、モバイルバッテリーに起因する火災事故が深刻化している。総務省消防庁の統計によれば、2025年におけるモバイルバッテリーによる火災件数は、把握されているだけでも前年比66%増という急激な伸びを記録している。

 落下や加圧を避けるべきだと理解していても、日常生活においてヒューマンエラーを完全に排除することは困難だ。どれほど危険性を認識していても、不慮の事故を「絶対」に起こさないという保証はない。

 こうした安全上の懸念を解消する選択肢として注目したいのが、バッファローが「安心と機能性の徹底追求」を掲げて開発した、半固体電池採用のモバイルバッテリー「BMPBSA10000」シリーズだ。実機を試用する機会を得たため、その真価を詳細に検証していく。

ちょうど良い大きさの半固体モバイルバッテリー「BMPBSA10000」 ちょうど良い大きさのバッファロー半固体モバイルバッテリー「BMPBSA10000」

半固体で安全、かつケーブル一体型で安心

 BMPBSA10000は、電解質に半固体であるゲル状電解質を採用したモバイルバッテリーだ。容量は1万mAh(37Wh)で、価格は5990円。カラーバリエーションにメタリックブラックとシルキーホワイトがあり、今回試すのはシルキーホワイトだ。

BMPBSA10000 BMPBSA10000本体
パッケージ内容 箱の中に入っているのは本体と取扱説明書だ

 従来のリチウムイオン電池は電解質が液状であるため、外部からの衝撃で正極と負極を隔てるセパレータが破損すると、液漏れとともに内部ショートが発生する。これが異常発熱や熱暴走を誘発し、最終的に発火を招くリスクがある。

 対してゲル状電解質を採用した半固体電池は、セパレータが破損しても電解質が流動しないため、正負極の接触による熱暴走の連鎖を抑制できる。さらに、この電解質に含まれる特殊素材は、万が一ショートによる熱が生じてもその周囲に耐熱性の高い「保護膜」を形成する。これが文字通りの防火壁として機能し、バッテリー全体への熱波及を阻止する仕組みだ。

 以上の特性から、本製品は従来のモバイルバッテリーと比較して極めて燃えにくく、安全性が高い。加えて、過電圧保護や過電流遮断、温度検知、ショート防止などの多重保護回路を搭載しており、不測のトラブルを未然に防ぐ盤石の体制を整えている。

 また、万が一の燃焼時に発生するガスの毒性についても、人体に影響を及ぼさないレベルであることを第三者機関にて検証済みだ。ハードウェアの構造から二次被害の防止に至るまで、幾重もの安全対策が施されているのが本シリーズの大きな特徴である。

 利便性と安心を両立する工夫も光る。本体にUSB Type-Cケーブルが統合されているため、外出時のケーブル忘れを物理的に防げる。一体型ケーブルは頑丈なナイロン編組で覆われ、根元部分には断線を防ぐネックガードを備えるなど、耐久性への配慮も抜かりない。

被膜とネックガード ナイロン生地の被膜とネックガード

 コネクター収納部にはスライド機構を採用している。接続部をロックする構造によって不意に抜ける心配がないため、ケーブルをストラップ代わりにして指にかけ、本体を携行することも可能だ。

スライド式 コネクターはスライドして取り外す。この発想が天才的だと感じてしまった
ぶら下げられる ストラップとして使っても不安感がない

 独立したUSB Type-Cポートも備えており、最大2台のデバイスへの同時充電に対応する。さらにパススルー機能も実装しており、本機を充電しながら一体型ケーブルまたはポートを介してデバイスを充電できる。その際、接続されたデバイスへの給電が優先される仕様だ。

左側面 バッファローロゴから見て左側面には一体型ケーブルとUSB Type-Cポート、そして状態を示すLEDディスプレイが並ぶ

 単体での入出力は最大30Wを誇るが、2ポート同時利用時やパススルー充電時には、合計出力が最大15Wに制限される点には留意したい。

 ワイヤレスイヤフォンやスマートウォッチなど、少ない電流しか受け付けないデバイスを微小電流で充電するデバイス向けに「低電流モード」を搭載している。切替ボタンを1回短押しすると同モードへ移行し、解除する際は2回短押しする仕様だ。

下側 バッファローのロゴから見て下側面。充電モード切替ボタンがある

 モードの状態はポート付近のLEDモニターで一目で判別できる。急速充電中は雷アイコンが緑色に点灯し、低電流モード時にはこのアイコンが消灯する仕組みだ。

通常モード 通常モードで給電中は、このように雷マークが点灯する
低電流モード 緑色に光る雷マークが消灯して、低電流モードで動作していることを示す

 動作環境は、放電時(他のデバイスを充電時)には-15〜45度、本体充電時は5〜40度だ。

 サイズは実測値で115.5(幅)×73(奥行き)×13.2(高さ)mm、質量は約207.5gであった。

裏面 入出力の規格がプリントされている。一般的なモバイルバッテリー裏のものと比べ、文字サイズが大きいので老眼でも見やすいのがありがたい
拡大写真 老眼が進んでいる筆者でも、近視用コンタクトをつけた状態で読むことができた
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