なぜ「データ通信できないケーブル」が必要? エレコムの充電専用ケーブルについて語りたい(1/2 ページ)

» 2026年08月31日 12時00分 公開
[井上翔,ITmedia]
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 エレコムが7月14日、「あんしん充電専用ケーブル」なるUSB Type-Cケーブルを発売した。その名の通り、データ通信を“できない”にようにした充電専用USB Type-Cケーブルだ。

 「え、データ通信のできないUSBケーブルなんて意味あるの?」と考えがちで、筆者もそう思っていた。しかし、実際に使ってみたところ、意外なメリットを発見したので紹介したい。

充電専用USB Type-Cケーブル 充電専用USB Type-Cケーブルは“誰得”なのか?(写真は240W対応のスタンダード/1m/ブラックモデルのパッケージ)

なぜ「充電専用USB Type-Cケーブル」は生まれたのか?

 カフェのテーブル、空港や駅の待合室、ホテルの客室では、ゲスト(客)へのサービスとしてコンセントやUSB充電ポートを設置していることがある。主にスマートフォンの充電を想定したものだ。以前はUSB Standard-A端子を備えることが多かったが、スマホに搭載される端子の変化を受けてか、最近はUSB Type-C端子を備えることも増えた。

 USB Type-C充電ポートは、多くの場合USB Type-C規格の上限値である「5V/3A(15W)」出力を備えるが、最近はより大きな電流を流せる「USB PD(Power Delivery)」規格に対応するものも増加傾向にある。

 ただし、USB Type-C充電ポートは埋め込みコンセントの設置スペースに取り付けることを考慮した製品が多く、1ポートタイプだと最大18W(9V/2A)、サイズに余裕のある2ポートタイプでも片方のポートで“短時間で”最大60W(20V/3A)が限界となっている。普通の充電器(ACアダプター)と比べるとサイズの制約も大きいので、ある意味で致し方ない。

 USB Type-Cの充電ポートなら、少なくともUSB Standard-Aのそれよりもスマホやタブレットは早く充電できる。PCの充電には心もとないかもしれないが、電源を切るかスリープ状態にすれば何とか充電はできそうである。

こんな感じ USB充電ポートは、壁面に組み込めるタイプのものを使うケースが多い。最近はUSB PD対応のUSB Type-Cポートを備えるものが増えているが、壁面(またはテーブル)に仕込むという制約もあってか、出力は控え目である(写真のポートはUSB PDの18W出力に対応している)

 今でこそ電源供給ポートとして使われることが増えたUSBポートだが、本来はデータを伝送するためのものだ。そのことを“悪用”して、USBポートを介してPC/スマホ/タブレットのデータを盗み出したり、マルウェアに感染させたりする「ジュースジャッキング(Juice Jacking)」というサイバー攻撃が存在する。

 これを防ぐべく、iPhone/iPadや最近のAndroid端末では、データ通信を行えるUSBデバイスとつないだ際に、数ステップの操作をしないとデータ通信を行えないようになっている。

 USB充電ポートのように給電(充電)に特化したデバイスは、そもそもデータ通信が行えない“はず”だ。しかし、中には接続したスマホやタブレットが、データ通信の許可を求めたり、USB通信モードに関する通知を出したりする充電ポートも存在する。充電しかしないはずなのに、このような通知が出てくると不安になってしまう。

Androidスマホの場合 最近のAndroid端末では、ジュースジャッキング対策として他のデバイスとつないだ際にいきなりデータ通信を始めないようにしている。データ通信を始める際は通知をタップして用途を選択する必要があり、機種によっては画面ロック用の認証を通さないとモードを変更できない

 ジュースジャッキングを気にせずに充電したいというニーズに応えるべく、エレコムは充電専用USB Type-Cケーブルを製品化したようだ。

エレコムの調査 本製品のニュースリリースには、同社が行った公共USBポートに関する調査の結果が書かれている
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