Mac Studioの弱点を克服! レトロMac風の画面付き多機能ドック「Wokyis G7」実機レビュー(2/2 ページ)

» 2026年09月01日 17時20分 公開
[Sotaro NAGAO,ITmedia]
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最大10GbpsのUSB 3.2 Gen 2接続で“十分”なのか検証

 読者的にWokyis G7 10GbpsのM.2 SSDスロットや、CFexpress Type Bスロットのアクセス速度が気になる所だろうが、先に製品名にある「10Gbps」について意味を確認したい。

 10Gbpsのbpsは「ビット毎秒」という意味だ。一般的なデータ容量で使われる「バイト毎秒」に換算すると、理論上の最大速度は毎秒約1250MBとなる。ここから通信プロトコルの変換にかかるオーバーヘッドを差し引くと、実効通信速度はおおむね毎秒1000MBほどに収まると思われる。

 何が言いたいかというと、今回レビューしているWokyis G7 10GbpsではM.2 SSDスロットもCFexpress Type Bスロットも速度を生かしきれないということになる。

 これを踏まえて、M.2 SSDスロットもCFexpress Type Bスロットの速度をチェックしていきたい。今回はMac Studio(M4 Maxモデル)にWokyis G7 10Gbpsを接続し、M.2 SSDスロットにはWestern Digital(WD)の「WD Black SN7100」の1TBモデル、CFexpress Type BスロットにはDelkin Devicesの「CF Express Type B Power G4」の512GBモデルを搭載している。

 速度の計測には「AmorphousDiskMark」を使い、64GiBのデータの読み書きをテストしている。5回計測した際の平均速度は以下の通りだ。

  • 読み出しテスト
    • WD Black SN7100 1TB
      • SEQ1M QD8:毎秒936.38MB
      • SEQ1M QD1:毎秒761.62MB
      • RND4K QD64:毎秒222.33MB
      • RND4K QD1:毎秒32.86MB
    • Delkin Devices Powerシリーズ G4
      • SEQ1M QD8:毎秒916.65MB
      • SEQ1M QD1:毎秒652.32MB
      • RND4K QD64:毎秒196.87MB
      • RND4K QD1:毎秒23.59MB
  • 書き込みテスト
    • WD Black SN7100 1TB
      • SEQ1M QD8:毎秒1017.52MB
      • SEQ1M QD1:毎秒820.26MB
      • RND4K QD64:毎秒90.73MB
      • RND4K QD1:毎秒20.40MB
    • Delkin Devices Powerシリーズ G4
      • SEQ1M QD8:毎秒816.72MB
      • SEQ1M QD1:毎秒791.96MB
      • RND4K QD64:毎秒31.47MB
      • RND4K QD1:計測不可

 結果を見ると、やはりUSB 3.2 Gen 2における理論上の最高通信速度に律速されている様子がよく分かる。CFexpress Type Bカードからのデータバックアップには十分な速度が出ているが、M.2 SSDの速度は物足りなさを否めない。とはいえ、SATA接続のM.2 SSDを使うよりは十分に速いことは確かなので、ドキュメントや写真データの待避先ストレージとして使うなら特に問題ない。

 SSDの価格が高騰している中、あえてパフォーマンスの低い安価なモデルを選択して組み合わせるのが現時点では一番賢い利用方法なのかもしれない。

スピード ストレージ別の読み書き速度の結果

10Gbpsモデルと80Gbpsモデルの選び方

 先のテスト結果が示す通り、Wokyis G7 10Gbpsは接続規格そのものがストレージとして使う際のボトルネックとなる。M.2スロットに高速なNVMe SSDを入れても、CFexpressに高速なカードを挿しても“到達点”は毎秒1000MB程度だ。

 一方、上位モデルでThunderbolt 5に対応するWokyis G7 80Gbpsは、メーカー公称で「NVMe SSDが最大毎秒7000MBで動作する」という。この速度があれば、400GB程度の撮影素材を1分程度で転送できるとしている。ただし、この数値の測定条件は公式に明示されておらず、実測の裏付けがない点には留意しておきたい。

 冒頭で触れた通り、Mac StudioのM4 MaxモデルはThunderbolt 5に対応している。したがって、Wokyis G7 80Gbpsを使えばM.2 SSDを内蔵SSDに近い速度で生かせる可能性がある。Mac Studioは内蔵ストレージを後から増やせないため、後から追加したストレージを内蔵SSDと同じ感覚で使えるかどうかという点は、購入時の判断材料として小さくない。

 今回検証したのはWokyis G7 10Gbpsだが、「フリップアップディスプレイを使いたい」「レトロでMac Studio/Mac miniにピッタリなドッキングステーションが欲しい」といった目的であれば、これでも十分である。一方で、大容量の動画素材を日常的に扱い、増設ストレージを作業ドライブとして使うなら、最初から奮発してWokyis G7 80Gbpsを選ぶことを強くお勧めする。

モデル Wokyis G7には10Gbpsモデルと80Gbpsモデルがある。ストレージのアクセス速度を重要視する場合は、奮発して80Gbps(Thunderbolt 5対応)モデルを選びたい

 本製品の大きな特徴である7型フリップアップディスプレイだが、こちらは十分に活用できそうな印象だ。一方で、9つのボタンはキーアサインの変更ができない限り「キーボードで十分かな……」というのが正直な気持ちである。

 さまざまなストレージを1台で利用/搭載できる価値は良いものの、Thunderbolt 5ポートを搭載しているMac Studioで使う場合は「10Gbpsの帯域を共有して使う」というトレードオフはどうしても否めない。

 ただ、Mac Studioの背面にあるThunderbolt 5ポート全てにThunderbolt対応の機器を接続するかといわれると、正直そんなことはない。普段の書類や写真の置き場として使う程度なら、10Gbpsモデルでもコストメリットを十分に得られると筆者は考える。

 本機のクラウドファンディングはすでに終了しているが、一般販売も予定されている。気になる人は、公式サイトで通知メールを申し込んでみてもいいだろう。

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