2台のMac StudioをThunderbolt 5で連結! 計128GBメモリ環境と分散推論「exo」でLLMを爆速化してみた(1/4 ページ)

» 2026年04月08日 12時00分 公開
[Yukito KATOITmedia]

 「exo」というソフトウェアを知っているだろうか。複数のデバイスをネットワークで接続し、まるで1台の大きなマシンのように協調させてLLM(大規模言語モデル)を動かせる、オープンソースのフレームワークだ。

 通常、LLMを動かすためには膨大なメモリを搭載した高価なサーバが必要だ。しかしexoを使うと、手元にある複数のデバイスを束ねて、単体では動かせなかった大きなモデルを推論できるようになる。

 exoはテンソル並列処理という方式を採用しており、モデルの重みを複数のノードに分散して処理する特徴を持つ。対応するバックエンドはMLXやllama.cppなど複数あり、Apple Siliconを搭載したMacとの親和性が特に高いことが特徴だ。

 さらに、OpenAI互換のAPIエンドポイントも備えているため、既存のツールやアプリケーションからもそのままクラスタを利用できるという大きなメリットがある。

 今回は16CPU、40GPUのM4 Maxに64GBユニファイドメモリを搭載した「Mac Studio」2台を使った環境を構築してみたので、その一部始終を紹介しよう。

photo 圧巻のMac Studio、2台構成

なぜMac Studioを2台使ってクラスタを組むのか

 Mac Studioのクラスタ構成に興味を持ったきっかけは2つある。

 1つ目は、以前使っていたLLMサーバのスペックだ。Mac Studioに移行する前は、128GBのメモリを搭載したサーバでローカルLLMを動かしていた。Mac Studio 1台のユニファイドメモリは64GBだが、これを2台束ねれば合計128GBのメモリプールを構築でき、以前のサーバと同等のモデルサイズを動かせる環境を実現できると考えたためだ。

 2つ目は、Thunderbolt 5ブリッジを使った「RDMA」(Remote Direct Memory Access)のサポートだ。CPUを介さずに直接メモリ間でデータをやりとりできる技術で、TCP/IPベースの通信と比べてレイテンシが大幅に下がり、帯域をより効率的に利用できる仕組みだ。

 もともとM4チップを搭載した「Mac mini」が発売された当初、exoとThunderbolt 4を組み合わせれば小さなLLMクラスタを構成できると考えていたものの、TCP/IPでのクラスタ構成はノード間の通信がボトルネックになると考えて二の足を踏んでいた。

 そんな中、macOS Tahoe 26.3から、Thunderbolt接続でRDMAを有効化できるようになった。ユニファイドメモリの広い帯域幅を生かしつつ、Thunderbolt 4より高速なThunderbolt 5を搭載したMac Studioであれば、十分なパフォーマンスを発揮すると考え、macOS Tahoe 26.3が出た翌日にApple 丸の内で同じ構成のMac Studioをもう1台購入するに至った。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月23日 更新
  1. RTX 5080は30万円の時代へ――止まらないグラボ高騰の中で6万円台前半の16GB版Radeon RX 9060 XTなど、お盆明けアキバ事情 (2026年08月22日)
  2. 文字起こしと要約がずっと無料のAIボイスレコーダー「Comu Action Pro」発売 9月20日まで2万9800円 (2026年08月20日)
  3. 全部入りの「Rokid」か、特化型の「Even G2」「Ray-Ban Meta」か? 注目スマートグラス3製品を徹底比較 (2026年08月21日)
  4. “23万円台の最新Let's note”を自らの手で組み上げる! パナソニック コネクト「手づくりレッツノート工房2026」体験記 (2026年08月21日)
  5. サンワ、USBハブ+引き出しを備えたディスプレイ台 (2026年08月21日)
  6. ビジネスシーンにもなじむチタンボディー! 本格ランウォッチ「Amazfit Cheetah 2 Pro」を日常使いしてみた (2026年08月19日)
  7. グラボ高騰が止まらない! RTX 5090は100万円超えの可能性も、「組むなら8月中」の声 (2026年08月15日)
  8. 総メモリ748GB、AI性能20PFLOPS! デルがGB300搭載のワークステーション「Dell Pro Max with GB300」を発売 (2026年08月20日)
  9. EIZO、航空管制業務用の32型4K液晶ディスプレイ (2026年08月21日)
  10. ゼンハイザーがaptX Adaptiveをサポートし、ユーザー自身でバッテリー交換も可能になった高性能ワイヤレスイヤフォン「MOMENTUM True Wireless 5」 (2026年08月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー