ロジクールがAIを見据えて6年ぶりに刷新した会議室向けビデオバー「Rally Bar 2」は何が進化した?(1/2 ページ)

» 2026年10月20日 14時20分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]

 ロジクールは10月19日、中・大会議室向けビデオバーの新製品「Rally Bar 2」を発表した。同日から受注を開始し、年内に順次出荷する。

 同日に開催された新製品説明会では、報道陣に向けて実機が披露された。現在、ビジネスシーンでは出社とリモートが混在するハイブリッドワークが定着し、出社する理由は「会議のため」から「人とリアルにつながるため」へと変わりつつある。そうした中で、前モデルから約6年ぶりの刷新(フルモデルチェンジ)となるRally Bar 2は、どのような製品に仕上がっているのか。実物に触れてきた。

「Rally Bar 2」 6年ぶりに刷新された「Rally Bar 2」

「Rally Bar 2」の進化点とハードウェア性能

 Rally Bar 2は、中規模から大規模の会議室、さらには最大50人規模のスペースまでを1台でカバーできるオールインワンのWeb会議用デバイスだ。

 小規模会議室向けには既存の「Rally Bar Huddle」も併売されるが、画角の広さや画質を重視する現場であれば、“大は小を兼ねる”として、あえて本機を導入するのも有力な選択肢になる。

 なお、国内で展開するのはグラファイトカラーのみだが、グローバルではオフホワイトモデルも用意しており、要望があれば相談を受け付けるという。

Rally Bar 2 Rally Bar 2

 製品の最大の特徴は、心臓部にQualcommの最新プロセッサ「Dragonwing」を採用したことだ。Web会議用デバイスへの搭載は業界初で、映像や音声の高度なAI処理をオンデバイスでこなせる性能を備えているという。

Dragonwingを搭載する SoCにDragonwingを搭載している
余裕のTOPS 演算処理能力が高く、AI機能を活用できる

 ロジクール 法人事業本部 専務執行役員 法人事業本部長の阿部明さんによれば、ロジクールの製品開発には「導入後に長期間利用しても陳腐化させない」というポリシーがあるという。

 そのため、今後Microsoft CopilotやZoom、Google Geminiなどのコラボレーションツール側に高度なAI機能(話者の顔/声の個別識別やリアルタイム文字起こしなど)が追加されても、ハードウェアを買い替えることなく対応できる拡張余地を確保しているそうだ。

法人事業本部 専務執行役員 法人事業本部長の阿部明さん 法人事業本部 専務執行役員 法人事業本部長の阿部明さん

 さらにRally Bar 2では、映像と音響の両面に新技術を採用している。映像面では、新たに1型の大型イメージセンサーと対角115度の超広角レンズを搭載した。AIを活用したフレーミング機能「RightSight 2」により、部屋の端やカメラに近い位置に座る参加者もしっかりと捉え、ゆがみなく自然に画面内へ収める。Microsoft Teams、Zoom、Google MeetそれぞれのUI仕様に合わせたフレーミング処理にも対応する。

1型 1型イメージセンサーを搭載する
広角 画角は115度と広角だ
フレーミング 会議室内の人物を高精細に捉えられるため、フレーミングをしても映像が鮮明だ
こちらはZoom Zoomを使った場合のフレーミング例
Google Meet こちらはGoogle Meetの場合。各社のシステムに対応する

 明るさ調整にも対応する。例えばプロジェクターを使うために会議室を暗くしていると、オンライン参加者からは会議室に誰がいるのかを判別しにくい。Rally Bar 2はカメラの映像の明るさを自動で調整するため、室内が暗くても参加者の顔を問題なく判別できるという。

 音響面も大幅に強化された。本体には70mmデュアルフルレンジスピーカーと31mmツイーターで構成する4スピーカーシステムを内蔵し、前モデル比で約2倍のオーディオ出力を実現している。

4スピーカー 4スピーカーシステム
RightSound 3 RightSound 3により、マイクとスピーカーが一体型でもハウリングなどを起こさない

 さらに、6基のビームフォーミングマイクアレイとAI音声処理「RightSound 3」を組み合わせ、人の声の周波数帯のみを高精度に抽出することで、定常的な雑音や突発的な環境音を徹底的に抑制する。本体の近くに座る参加者の声はもちろん、奥の席にいる参加者の声も、AIが音量を自動で最適化して均一なレベルでクリアに収音する。マイクからの距離によって「遠くの人の声が小さくて聞き取れない」といった従来のストレスを感じさせないという。

マイク 6基のビームフォーミングマイクアレイを搭載する
拡張 大会議室などでは、集音範囲を拡張する「Rally Mic Pod 2」も接続できる

 高性能でありながら、壁面取り付け時の突出は約99mmとスリムだ。また、電動プライバシーシャッターを新たに搭載した。非使用時には精密なセンサーやレンズをほこりや湿気から守り、プライバシー面での安心感ももたらす。

99mm 壁からの突出は約99mmだ

 サステナビリティへの配慮として、同社初となるアルミニウム製ボディーを採用し、再生アルミニウム(PCRアルミニウム)を取り入れた。プラスチック部分にも最低60%の再生材(PCRプラスチック)を使用しており、スイス企業らしいこだわりといえるだろう。

 Rally Bar 2の機能説明の最後に、阿部さんは次のように語った。

 「今、会議で誰が何を話したかを記録する議事録の作成に、大きなニーズが生じている。本機はAIを意識した設計になっていると説明したが、顔認証や声認証をMicrosoft CopilotやZoom、Google Gemini(対応を進行中)といったパートナー各社のAIと組み合わせることで、議事録の作成や会議の要約まで自動化できるようになる。

 「単なるビデオ通話にとどまらず、ハードウェアの力で会議そのものを効率化していくのが私たちの製品だ。今後2、3年でWeb会議システムにさまざまな機能が追加されていっても、対応できる強みがある。2年後、3年後も使い続けられる製品だ」(阿部さん)

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