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2003年10月31日 00:00 AM 更新
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なぜ日本のホスティングサービスはユーザー中心でなはいのか?〜中堅業者からの告発と提言(2/2)
「ホスティングというのは見えないものにお金を払う、ネット上だけのサービスです。だから逆にアナログに電話で話をするのが大切なのですよ。いうなれば安心感です」
同社のサポート体制は、外注などではなく、すべてハイパーボックスの社員が対応している。なおかつ、電話であれメールであれサポート情報を全社で共有し、必ず社名で返答するという。サポートからの連絡が途切れないための工夫だ。が、素朴な疑問が生じる。コストは見合うのだろうか? 深田氏が答える。
「外注をしていませんので、もちろん結構なコストはかかりますし、電話だけで解決しないこともあります。事前にメールでトラブルの内容を教えていただいていれば解決は速いのですが」
それでも24時間サポートは続けていく。なぜだろう。
「極端な話、お客様は声を聞くことで安堵する。ああ、話をすればエンジニアが直接、対応してくれるんだなぁという実感が湧くのですよ。なぜ他社は(同様のサポートを)やらないのか不思議なのですが(笑。」
深田氏は「(お客様の)安心感」という言葉を繰り返す。
「弊社のサービスに乗り換えられる方は、同業他社のサービスやサポートにご不満だった方も少なくありません。価格だけの競争に陥って業界全体の信頼が失わること。最近はそれを危惧しております」
なるほどホスティングは、メールやWebのデータを預けるサービス。いつサービスが停止するか分からないようなところは使いたくない。とはいってもWebの限られた情報だけでは分かりにくく、見えにくい。だからこそ、ユーザーの安心感が信頼性やブランドにつながっていく、という信念を深田氏は持っているようだ。
問い合わせの時間について面白いことを教えてくれた。
「24時間サポートではありますが、真夜中や早朝に電話されるお客様はほとんどいらっしゃらないですね。ビジネスタイムと夜の9時から11時ぐらいが山です。実際にネットを使われている時間に問い合わせされるのでしょう」
ホスティング会社に必要なもの、必要ないもの
では深田氏の考えるホスティング会社に必要な条件とはなんだろう。
「まず求められるのは品質でしょう。トラブルなどは全くないとは申しませんが、最小限にするということです。ビジネスでも利用していただいておりますので、業務に支障が出てしまっては申し訳ない。品質もまたホスティングサービスで伝わりにくい部分なのですが、弊社のサービスをクチコミでお選びいただくお客様がたくさんいらっしゃる。ホスティング先を選ぶ時には価格だけでなく、サービスの評判も調べてみてほしいですね」
確かに、ホスティングサービスがわかりにくい理由のひとつは、品質が伝わりにくいことだろう。そして深田氏は、ユーザーサイドでサービスを取捨選択できることも大切だという。
「お客様が使ってみたいと思われるであろうサービスに応じて、ホスティング業者の側でオプションが用意されているかも重要です。弊社ではドメイン取得は基本だと考えていますので、ドメインだけ保持できる(Domain Keeper)サービスをご提供しています。そしてホスティングサービスをを容量やウイルス除去などのサービス、セキュリティのためのSSLやECサイト構築のためのツールなどで5つのプランに分けています。お客様の利用スタイルに合わせてさまざまに使えて、サイトを成長させることができる。私どもは、他のホスティング会社にありがちな、『それはできません』という、お客様がやりたいこと、ビジネスのチャンスを制限してしまうことを、できるだけ無くしていきたいと考えています」
第一回目の深田氏の話から、サポート面サービス面で、現在のホスティングサービスが抱えている問題点や、現状が次第に見えてきた。次回はホスティングサービスがわかりにくい理由をレポートし、さらにホスティングについて掘り下げてみたいと思う。
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