電子マネーパイオニアの苦境――ビットワレット「Edy」の今:10期連続赤字は免れるか?(2/5 ページ)

» 2009年09月25日 07時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

10年ごしの願いが実現した

ビットワレットCSO(最高戦略責任者)の宮沢和正氏

 セブン-イレブン、マクドナルド、コカ・コーラの3社がEdy対応になったことの意義は非常に大きい、と宮沢氏は話す。「1999年、私がまだソニーのFeliCa事業部にいたころに、ビットワレットの立ち上げに際してEdyの話をさせていただいた会社がいくつかありました。この3社はいずれもそのときに(Edyを採用してくださいと)お願いしに行った会社なのです」

 3社はいずれも電子マネーの採用に積極的だったが、考え方の違いや、中立性を重視するビットワレット側の事情に合わず、結局この時点ではEdyを採用しなかった。日本コカ・コーラは「Cmode(シーモ)」という独自電子マネーを始めたし(参照記事)、セブン-イレブンからはビットワレットに出資したいという打診があったが、「特定の加盟店に参加してもらうと色が付き、中立性が保ちにくくなる」という理由でビットワレットの側から断ったという。「中立性を保つことを重視するという方針が正解だったのかどうか、今も答えは出ていませんが……。しかし、当初我々が、Edyを入れてほしいと考えていた3社が加わってくれたという意味で、2009年は非常に感慨深い年です」(宮沢氏)

人件費、固定費削減で赤字解消へ

 赤字を脱し黒字化するには、コストを削減し、収益を増やさなくてはならない。ビットワレットではコスト減・収益増のためにどのような施策をとっているのだろうか。

 「2008年から2009年にかけて、大がかりな構造改革に取り組んできた。近々黒字化できるめどが立ってきた」と宮沢氏は話す。

 ビットワレットにとって大きなコストとなっていたのが、人件費と固定費だ。2008年末には全社員を対象に早期退職者を募集し、正社員約40人を削減した。現在の社員数は100名程度だ。「新規加盟店を開拓しようということで、当初から営業には力を入れていた。最近は電子マネーの知名度も上がり、加盟店も大幅に増えたので、これまでほど営業に人員を割く必要がなくなるだろう。今後は(新規加盟店の獲得よりも)すでに加盟店になっている店舗に、もっと使ってもらえるようなマーケティングに変更していく」

 同社にとっての固定費とは、「導入支援金」という形で支払っている決済端末のコストだ。加盟店に置いてあるEdy用決済端末は1台数万円するが、コストをビットワレットが負担しているケースが多い。この減価償却がほぼ終わりに近づいていることが、黒字化へ好影響となると見ている。導入支援金は毎年数億円ずつかかっており、「当初の予定の倍くらい。非常に重いコストだった」と宮沢氏は振り返る。

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