iPadは企業を変えるか(1/2 ページ)

» 2010年08月26日 15時42分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK

 米Appleのタブレット型端末iPadはコンシューマー市場で大きな成功を収めているが、Wall Street Journalの最近の調査によると、同端末は企業の間でも利用が進んでいるようだ。同メディアは、従業員の生産性とモビリティを高めるためにiPadの採用を予定している数社の企業を紹介している。

 iPadを業務に利用する企業が増える結果、企業の業務手法にも大きな変化が起きそうだ。現時点では、タブレット型端末の普及ペースは遅々としたものだ。しかし本格的な普及の兆しは既に現れており、IT担当者はもうすぐ、新技術、そしてそれに付随するメリットとデメリットに対処する必要に迫られるだろう。では、AppleのiPadは企業の世界にどんな変化をもたらすのだろうか。

1. タブレット戦争始まる

 iPadが企業市場への進出を開始するのに伴い、それを追いかけるコンピューティングタブレットが次々と登場するだろう。ベンダー各社にとって、企業市場は大きな収益を期待できる非常に魅力的な分野なのだ。この市場をみすみす他社に譲るようなベンダーは存在しない。2010年末には、タブレット市場は多くの製品であふれかえっていることだろう。

2. 増大するセキュリティ懸念

 どんな新技術でもそうだが、iPadの場合も企業への普及が本格化すれば、セキュリティをめぐる懸念が高まるのは間違いない。ハッカーたちは、企業のデータにアクセスするための新たな手段としてiPadを狙い始めるだろう。ITマネジャーは、これらのハッカーが侵入する可能性が高い場所を特定し、その部分のセキュリティを強化する必要に迫られるだろう。これは容易なことではないが、iPadが備えるリモートワイプ機能や新しい管理ツールを利用すれば、かなり効果的なセキュリティ対策を実施できるだろう。

3. 強まる監視

 iPadの導入に伴い、ITスタッフは従業員への監視をさらに強めざるを得ないだろう。しかも残念なことに、同製品はiOSで動作するモバイル端末であるため、Windowsベースの製品と比べるとユーザーを監視するのはあまり容易ではない。それでも監視は必要だ。これからiPadを業務に導入する企業にとって、これは今から考えておかねばならない問題だ。

4. iPhoneは不要になる?

 企業市場ではAppleのスマートフォンiPhoneへの関心が徐々に高まっているが、iPadを採用する企業が増えてくれば、これらの企業ではiPhoneの利用をやめようと考えるようになる可能性もある。iPhoneはBlackBerryのように企業向けの製品ではない。それに、iPhone 4が提供する多くの機能はiPadに備わっているのだ。iPhoneの代わりにiPadを採用する企業もあるだろう。

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