工場の屋根に断熱材を敷設、消費電力量を3万2000kWh削減省エネ機器

節電と言っても、電力効率が高い機器を導入するだけでなく、さまざまな方法がある。沖電気の関連会社である長野沖電気は自社工場の屋根に遮光断熱素材を敷設し、工場内の空調効率を高めることで消費電力量の削減に成功した。

» 2012年08月28日 11時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 沖電気の関連会社で、電子機器の受託製造を請け負う長野沖電気は、今夏の省エネ活動の成果を明らかにした。同社は電子機器の基板実装ラインがある工場の屋根に遮光遮熱素材を敷設することで、屋根から工場内に入ろうとする熱を遮断し、空調機器の運転効率を向上させた(図1)。その結果、7月にこの工場が消費した電力量が削減同月比で3万2000kWh減となった。割合にすると14%減となる。

図1 遮光遮熱素材を敷設した屋根。屋根表面に熱が伝わることを防ぐだけでなく、貯まった熱を逃がす効果もある

 遮光遮熱素材を敷設した工場の屋根は約2000m2。材質が鋼板であるため、特に夏季は太陽熱で高温になり、その熱が工場内の温度を上げていた。さらに、この工場には、はんだ付けに使うはんだ槽や、リフロー炉といった高熱を発する機器が多く備わっている。冷房で工場内の気温を下げているが、効率が良いとはいえない状態だった。

 屋根に遮光遮熱素材を敷設した結果、屋根表面の温度が約20℃低下し、工場内の室温も約3℃低下したという。その結果、空調に使用する電力が減り、3万2000kWhの電力を節約できた。

 このほかにも同社は窓に遮光フィルムを貼るなどの対策を打ち、7月の工場全体の消費電力量を昨年同月比で4万kWh減らすことに成功した。今後同社は、遮熱塗料の導入などを進め、さらなる省エネを目指す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.