8月の販売電力量は一般向けが急増、節電目標値引き下げが影響か電力供給サービス

8月は前月に比べて販売電力量が急増した。販売電力合計は前月比13.1%増。毎年販売量が跳ね上がる7月は節電の効果のためか微増で終わったが、8月は前年同月実績も超えるほど販売電力量が多くなった。

» 2012年09月20日 15時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 電気事業連合会は、2012年8月分の電力需要実績速報を公開した(図1)。全国10社の販売電力量合計はおよそ774億8400万kWh。7月の684億8200万kWhから13.1%と大幅に伸びた。毎年6月までは販売電力量が下がり続け、7月に急増しているが、7月の販売量は6月に比べると微増だった。今年は1カ月遅れて販売電力量が大幅に伸びる形になった。

 特に伸びたのが一般需要の電灯契約と電力契約。電灯契約は前月比27.6%、電力契約は前月比35.5%の伸びを見せた。これは暑さが本格化し、住宅や商店で空調機器を使う機会が増えたためだろう。

 特定規模需要も前月比では伸びているが、一般需要ほどではない。特定規模需要の中でも産業用その他が前月比0.9%減となっており、特定規模需要全体を見ると前月比5.3%増と、1けた台の伸びにとどまっている。

 今夏は西日本全域に厳しい目標値を掲げた節電が続いていた。しかし、7月末に関西電力の大飯原子力発電所の3号機、4号機のフル稼働開始に伴い、関西、四国、九州を除く地域では節電目標値がなくなり、関西、四国では節電目標値が下がった。8月に販売電力量が急増したのは、節電目標値引き下げが大きく関係している可能性がある。月末の電力需要実績確報に現れる電力会社ごとの販売量を見ればはっきりするだろう。

図1 電気事業連合会が公開した、2012年8月の電力需要実績速報

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