BEMS補助金の申請件数さらに減少、目標から3分の1に補助金

企業の節電対策として導入促進が期待されるBEMSだが、国の補助金に対する申請件数が9月に大きく減少したことが明らかになった。直近の約1か月で140件の申請にとどまり、目標の3分の1に落ち込んでしまった。2年間で1万件の目標達成が早くも厳しくなっている。

» 2012年10月10日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 総額300億円の規模で大々的にスタートしたBEMS(ビル向けエネルギ管理システム)の補助金制度だが、開始から5か月が経過して申請件数が目標を大きく下回っている。中堅・中小企業を対象に2年間で1万件の導入を目指しているにもかかわらず、目標達成に必要な月間400件以上のペースに遠く及ばない状況だ。

 事務局が発表した10月5日現在の最新データでは、約1か月前の9月7日時点から140件しか申請件数が増えていない(図1)。前月(8月11日〜9月7日)も187件の申請件数にとどまっており、2か月連続で大きく落ち込んでいる。

図1 アグリゲータ別に見たBEMS補助金の申請事業所数(2012年10月5日現在)。約1か月前の9月7日時点の数値と比較した。補助金を運営する「一般社団法人 環境共創イニシアチブ」による公表値

 申請者のアグリゲータ別に見ると、トップのエナリスが43件の増加で全体の約3割を占めている。このほかでは東芝が24件、富士通が21件、イーエムシーが15件を上積みしたのが目立つ程度で、そのほかのアグリゲータはほとんど件数を増やせていない。

 申請が伸び悩んでいる要因としてアグリゲータ側からは、事務局による審査プロセスやBEMSの認定要件の問題が指摘されている。これから冬の節電対策の準備が始まろうとしている時期だけに、早急な改善策が求められる。

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