3か月前から申請件数が大幅に減少してしまった政府のBEMS補助金。直近の1か月間でも上向く兆しは見えず、開始から半年の累計で1800件あまりにとどまっている。2年間で1万件の目標を達成するには、アグリゲータの入れ替えを含む抜本的な対策が必要な状況になってきた。
「数多くの企業で導入の検討は進んでいるが、決定までには思った以上に時間がかかっている」。BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)のアグリゲータに認定されている大手ITメーカーの担当者は、補助金の申請件数が伸びない事情をこう語る。
それにしても、5月からBEMSの補助金制度が始まり、すでに半年が経過している。運営を担当する環境共創イニシアチブが発表した11月2日現在の補助金の申請件数は1831件(図1)で、制度が終了する2014年3月までの目標1万件に対して2割に満たない状態だ。
特に最近の3か月間は低迷を続けており、月あたりの申請件数は200件を下回っている。開始当初は月に400件以上の申請があったが、早くも半分以下のペースに落ち込んでしまった。いくつかの要因が以前から指摘されているものの、今のところ目立った改善策は打たれていない。そろそろ抜本的な対策を実施する段階に来ていると言える。
明らかな問題点のひとつは、申請件数の少ないアグリゲータが数多くあることだ。サービスの開始時期が遅い日本IBM+日本電気の連合チームを除いても、申請件数が10件に満たないアグリゲータが22社のうち7社もある。
運営主体の環境共創イニシアチブでは「申請件数が少ないアグリゲータは入れ替えも検討する」として、状況を見ながらアグリゲータを選別していく方針だ。年内か年明け早々にはアグリゲータの入れ替えに着手する可能性が出てきた。
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