使い道が決まらなかった干拓地に巨大メガソーラー、出力は約50MW自然エネルギー

三重県と愛知県の県境に広がる広大な干拓地をメガソーラー用地として利用することを決めていた両県は、建設と運営を丸紅に依頼することを発表した。最大出力が約50MWにもなる巨大メガソーラーが2014年から稼働を始める。

» 2012年11月13日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 メガソーラー建設用地となったのは三重県と愛知県にまたがるように広がる「木曽岬干拓地(きそさきかんたくち)」だ(図1)。この干拓地は元々農業用地として利用することを想定して農林省(現 農林水産省)が干拓したもので、1974年には干拓が完了していた。

図1 木曽岬干拓地の航空写真

 干拓完了後、日本の産業構造が変化していったため、農業用地として利用するという計画が、企業を誘致して産業向けに利用するという計画に変わっていった。名古屋市の中心部に近いという有利な条件があるため、産業向けに利用しようという計画が持ち上がったのだ。しかし、この干拓地は元々農業用地として干拓したため、地盤が軟弱であり、産業向けに利用するには不利であるため、なかなか用途が決まらなかった。

 そこで、三重県と愛知県はメガソーラー用地として利用することを決め、2012年6月にはメガソーラー用地として利用するために、土地利用計画変更を農林水産省に申し出、認められていた。

 メガソーラーを建設するのは木曽岬干拓地の中でも北側の、伊勢湾岸自動車道沿いの土地。面積は78万m2だ。このうち三重県の県有地が62万m2で、愛知県の県有地が16万m2となる(図2)。

図2 メガソーラーは木曽岬干拓地の北側に建設する

 メガソーラーの最大出力は約50MW(4万8700kW)で、年間発電量はおよそ5万3334MWh(5333万4000kWh)となる見込み。これは、一般家庭の年間消費電力量にしておよそ1万5000世帯分に当たる。

 着工は2013年5月で、2014年10月に稼働を始める予定。丸紅はこの事業のために発電事業会社を設立する。

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