BEMSアグリゲータの「イーエムシー」が破産、業務の継続不能に補助金

経済産業省の補助金制度でBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を提供できるアグリゲータの1社、「イーエムシー」の破産が3月15日に確定した。補助金を運営するSII(環境共創イニシアチブ)は同日、イーエムシーから業務の継続不能に関する報告を受けた。

» 2013年03月16日 15時56分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 経済産業省が300億円の予算で2012年度からスタートしたBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)の補助金制度では、21社のアグリゲータが選ばれて、システムの設置から補助金の申請までを担当している。そのアグリゲータの1社であるイーエムシーに対して、東京地方裁判所が3月15日に破産手続きの開始を決定した。これでイーエムシーの自己破産が確定したことになる。

 経済産業省の委託を受けて補助金を運営しているSII(環境共創イニシアチブ)はウェブサイトで次のように発表した。「本日(3/15)、BEMSアグリゲータのイーエムシー株式会社より、エネルギー管理支援サービス業務の継続不能についての報告がSIIに対して行われました。現在、SIIにおいては、状況及び今後のエネルギー管理支援サービスの継続について精査をしております。」

 これまでイーエムシーはアグリゲータ21社(23グループ)の中でも補助金の申請数が多く、SIIが毎週まとめているアグリゲータ別の補助金申請件数では常に上位にランクされていた。最新の3月8日現在のデータによると、累計101か所の事業所にBEMSを導入している(図1)。1か所で平均100万円の補助金を受けたとして、1億円程度の金額になる。

図1 アグリゲータ別に見た補助金の申請事業所数(2013年3月8日現在)と2年間の目標値。補助金を運営する「環境共創イニシアチブ」による公表値

 今後の問題は101か所の事業所に導入済みのBEMSに対する運用と保守サービスである。SIIが状況を調べたうえで対応策を公表する予定だが、おそらく他のアグリゲータが業務を引き継ぐことになるだろう。これから夏の節電を前にBEMSの導入が拡大していく時期であるだけに、その機運を損なうことのないように万全の対応が求められる。

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