不用なブラジャーを再生可能エネルギーに、22万枚から22トンの燃料自然エネルギー

ワコールは国内の約800店舗で2か月間にわたって不用なブラジャーを回収し、固形燃料のRPFに加工して再生可能エネルギーとして利用できるようにした。固形燃料は22トンにのぼり、約22万枚の不用なブラジャーを活用した。製紙会社などの燃料用に販売する。

» 2013年06月13日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)は古紙やプラスチックなどの廃棄物を加工して固形燃料にしたもので、衣類もRPFの原材料になる。廃棄物を利用した再生可能エネルギーとして、国の固定価格買取制度でもバイオマスの一種として認められている。

 ワコールは環境活動の一環として2008年から、不用なブラジャーを回収してRPFにリサイクルする活動を続けている。回収数は毎年増加して、2013年は前年を41%も上回る約22万枚をRPFに加工することができた(図1)。RPFの量は22トンにのぼった。

図1 不用なブラジャーを加工して作った固形燃料。出典:ワコール

 ワコールは取引先の製紙会社などに燃料としてRPFを販売する。かりにRPFをすべて発電用の燃料に使った場合、設備にもよるが1トンあたり通常800kWh程度の電力を作ることができる。22トンで約1万8000kWhになり、一般家庭の年間使用量に換算して約5世帯分に相当する。規模は小さいながらも再生可能エネルギーの取り組みとして意義は大きい。

 ワコールの調査では、61%の女性が「ブラジャーを捨てるのにためらいを感じる」と答えていて、不用になっても捨てにくい物のひとつとされている。ワコールはRPFを提供している製紙会社の紙を使って回収用の「ブラ・リサイクルバッグ」を作り、全国の百貨店や直営店など約800か所で配布した。

 実施期間は2月12日の「ブラジャーの日」から4月22日の「アースデイ」までの約2か月。回収したリサイクルバッグの数は6万近くに達した。

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