全国の生活協同組合が再生可能エネルギーの導入を積極的に推進している。神奈川県の「パルシステム神奈川ゆめコープ」は7月1日から、11カ所ある配送センターのうち4カ所の電力を新電力からの調達に切り替えた。山形県内のバイオマス発電による電力を利用する。
パルシステム神奈川ゆめコープが利用する電力は、同じグループのパルシステム東京の子会社で新電力の「うなかみの大地」から調達する(図1)。うなかみの大地は山形県のバイオマス発電事業者「やまがたグリーンパワー」を主な電源にして、再生可能エネルギーによる電力の供給を特徴にしている。
神奈川ゆめコープがバイオマス発電の電力に切り替えた施設は、11カ所ある配送センターのうち横浜市と川崎市にある4カ所である。年間に使用する電力量は150万kWhにのぼり、神奈川ゆめコープ全体の電力使用量の約40%を占める。今後さらに再生可能エネルギーの導入施設を増やして利用率を高めていく方針だ。
パルシステムグループは首都圏を中心に1都9県の生活協同組合で構成する連合会で、事業地域には福島県も入っている。福島第一原子力発電所の事故を受けて以降、脱原発を推進するために各地域で再生可能エネルギーの導入量を増やしてきた。2013年4月にはパルシステム東京が配送センターを含む16カ所の電力(年間456万kWh)を、同様にやまがたグリーンパワーのバイオマス発電に切り替えている。
やまがたグリーンパワーは山形県の村山市で2006年からバイオマス発電を開始した(図2)。地元の名産品であるサクランボの農家から剪定後の枝などを集めて燃料に使っている。発電規模は2MW(メガワット)で、年間の発電量は1500万kWhあり、村山市の庁舎にも電力を供給している。
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