福島県の南東部にある福島空港でメガソーラーの建設が進んでいる。敷地内の3カ所に合計1.2MWの太陽光パネルを設置して、2014年3月に運転を開始する予定だ。太陽の動きに合わせてパネル面が動く追尾式のほか、10カ国のメーカーによる30種類のパネルを使った評価も実施する。
福島空港は1993年に開港して、ちょうど20年が経過した。現在は2500メートルの滑走路1本を使って国内線のほか、中国と韓国に国際定期便を運航中だ。いま福島県が「再生可能エネルギーの先駆けの地」を実践する場所として、空港の敷地内でメガソーラーの建設を進めている(図1)。
メガソーラーの発電規模は1.2MW(メガワット)で、建設場所は3カ所に分散する(図2)。最も規模が大きい設備は滑走路の北側で、0.67MW分の太陽光パネルを設置する計画だ。
この太陽光パネルには10カ国のメーカーによる30種類を混在させて、種類ごとの発電量や長期の劣化などを比較評価できるようにする。パネルを評価した結果は、県内で推進する太陽光発電事業に生かしていく。
さらに隣接する場所に追尾式の太陽光発電システムも稼働させる。太陽の動きに合わせて最適な角度に太陽光パネルが傾くようにできている。早朝から夕方まで最大限に太陽光を取り入れて発電量を増やす試みだ。
このほか滑走路の南側に0.5MW分の太陽光パネルを設置する。東芝が0.5MW分の太陽光パネルとパワーコンディショナーを寄贈することになっている。運転開始は3カ所ともに2014年3月の予定である。
メガソーラーを運営するのは福島県などが出資する「福島発電株式会社」で、総事業費は約4億円を見込んでいる。そのうちの5000万円は県内の個人や法人を対象にした県民参加型のファンドで充当する方針だ。福島県は空港のメガソーラーを「次世代エネルギーパーク」の中核施設に位置づけて、体験学習の場としても活用できるようにする。
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