木質バイオマス向けにガス発電機、GEが主力製品を日本に投入蓄電・発電機器

火力・原子力から水力・風力まで、さまざまな方式の発電機を製造・販売するGE(ゼネラルエレクトリック)が日本で木質バイオマスの市場開拓に乗り出した。ガスエンジン方式で主力になっているメガワット級の火力発電機を企業や自治体向けに売り込む計画だ。

» 2014年04月24日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 GE(ゼネラルエレクトリック)が日本の木質バイオマス向けに投入する製品は「イエンバッハ(Jenbacher)」シリーズで、ガスエンジンで発電しながら熱も供給できるコージェネレーションシステムである。燃料に利用できるガスの種類は幅広く、天然ガスやプロパンガスのほかに、木質バイオマスから生成したガスにも対応できる。

 日本で中心になる製品は「イエンバッハ Type6」で、発電能力は1.5〜4.4MW(メガワット)の範囲になる。発電効率が46%と高い点が特徴で、電力と熱を合わせた総合効率では90%近い水準に達する(図1)。

 発電機内部の空気とガスの圧力や温度をリアルタイムに計測しながら、ガスエンジンを最適な状態で運転することができる。この制御機能によって、天然ガスと比べて品質が不安定な木質バイオマスのガスでも高効率運転が可能になる。

図1 GEのガスエンジン発電システム「イエンバッハ Type6」の外観イメージと性能。出典:日本GE

 日本各地で間伐材などの木質バイオマスを活用した発電事業が拡大してきたことから、日本法人の日本GEの社内に「木質バイオマス発電推進プロジェクトチーム」を設置して顧客獲得に乗り出した。財務部門を含む社内横断型のチーム編成で、企業や自治体などの発電事業者を支援する。

 GEのイエンバッハはバイオマス/バイオガス発電の分野では世界で累計1300MW以上の導入実績がある。木質バイオマスをガス化した発電設備はヨーロッパを中心に約50基が稼働している。これから市場が拡大する日本で国産メーカーと競合しながら、どのくらい受注を伸ばせるかに注目が集まる。

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