効率99%、砂漠に強い大容量パワコン蓄電・発電機器

東芝三菱電機産業システムは2014年9月30日、パワーコンディショナー「SOLAR WARE SAMURAI」の変換効率が99%に達したと発表した。メガソーラー向けとして世界最高レベルをうたう。容量が1.667MWと大きい屋外設置型の製品だ。

» 2014年10月01日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 東芝三菱電機産業システムは2014年9月30日、パワーコンディショナー製品の変換効率が99%に達したと発表した。メガソーラー向けとして世界最高レベルをうたう。

 記録を達成したのは、同社が米国向けに製品化した太陽光発電システム用の製品「SOLAR WARE SAMURAI」(図1)。「入力電圧が605Vの場合、負荷が20%〜30%のとき、効率が99%となった」(同社)*1)。負荷が100%の場合でも99%弱の効率である(図2)。同製品の最大入力電圧は1000V。

*1) 今回の変換効率は米国国家認証試験機関(National Recognized Testing Laboratories)であるカナダ規格協会による第三者評価試験を受けて測定したもの。California Energy Commission(CEC)が規定する評価試験に沿った変換効率は98.5%。

図1 変換効率99%を実現した「SOLAR WARE SAMURAI」(PVL-L1833GRQ) 出典:東芝三菱電機産業システム
図2 負荷(横軸)と変換効率の関係 出典:東芝三菱電機産業システム

 SOLAR WARE SAMURAIは同社が2013年10月に発表した屋外設置用の製品。既に70台以上の注文を受けたという。2014年9月24日には製造子会社であるTMEIC Power Electronics Productsをテキサス州ヒューストンに設立すると発表している。

 「米国市場では非常に規模の大きな太陽光発電所の建設が続いており、大容量のパワーコンディショナーが求められている。さらに、砂漠など比較的乾燥した土地に設置されることが多く、管理に手が掛からない製品への期待が高い」(同社)。SOLAR WARE SAMURAIの容量は1.667MWと大きい。外気温が50度であっても負荷が50%に達するまではファンを使わない設計となっており、市場ニーズに合った設計なのだという。具体的には対流を用いた自然空冷とヒートパイプを組み合わせることで実現した。このため、負荷が高い場合でもファンの回転数を抑えることができ、故障しにくいという。

 「当社が国内で主力としている容量帯は500kWであり、気候条件も米国とは異なる。このため、顧客からの要望がなければ、今回のSOLAR WARE SAMURAIをそのまま国内で販売する計画はない」(同社)。

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