米国発の「スマートごみ箱」が日本でも発売された。ごみの溜まった量をセンサーで計測して、無線通信で情報を発信する。ごみがいっぱいになると自動的に圧縮することもできる。電源のない路上でも使えるように、ごみ箱の上部には太陽光パネルを搭載して72時間以上の運転が可能だ。
すでに世界45カ国で使われているスマートごみ箱「BigBelly Solar(ビッグベリー・ソーラー)」の販売が日本国内でも10月23日に始まった。BigBelly Solarは米国で2003年に設立されたビッグベリー(Bigbelly)社が開発したシステムで、ごみの溜まった量をもとに収集ルートの最適化などに生かすことができる。
スマートごみ箱には2つの種類がある。1つは「SmartBelly」と呼ぶ。ビンやカン、紙などのリサイクルが可能なごみを収集するために利用する(図1右の写真にある左側のごみ箱)。ごみ箱の中にあるセンサーから携帯電話のネットワークを使って無線でデータを発信することができる。
もう1種類は「BigBelly」で、同様の無線通信機能に加えて、ごみを自動的に圧縮する機能を備えている(図1左、および右の写真にある右側のごみ箱)。これにより、ごみが箱からあふれ出すことを防ぐ。
2種類のごみ箱からの情報はパソコンやスマートフォンの画面に表示して、ごみの収集が必要かどうかを知ることができる。その情報をもとに収集ルートを最適化して、収集にかかる時間や頻度を軽減することが可能になる。
それぞれのごみ箱の上部には太陽光パネルを搭載して、発電した電力を内部の蓄電池に貯めることができる。太陽光が当たっていない状態でも72時間以上の運転が可能だ。電源のない路上などで使えるほか、屋内で利用する場合にはACアダプターを接続して電源コンセントから電力を供給することもできる。
国内ではITシステム会社の日本システムウエアが販売する。価格はオープンだが、導入規模によって1台あたり25〜45万円程度になる見込みだ。米国では自治体や大学などが数百台単位で導入している。日本でも同様に公共エリアや商業施設などを対象に販売する。
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