新幹線で電力を2%節減、回転部分を減らす省エネ技術(2/2 ページ)

» 2014年12月05日 07時00分 公開
[畑陽一郎スマートジャパン]
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静止形を回転形が補完する

 このようにメリットばかりが目立つ静止形にも弱点がある。「一時的に大電流が必要なとき、現在のパワー半導体技術では全てをまかなうことができない。そこで、既存の回転形の装置を残し、併用する」(JR東海)。

 図4に富士川以東の東海道新幹線の路線と駅、変電所、周波数変換変電所、同装置の位置を示す。周波数変換装置は現在9台が運用中だ。西から沼津周波数変換変電所(沼津FC:Frequency Conversion substation)、西相模FC、綱島FC、大井FCと呼ぶ4つの拠点があり、そこで合計9台の周波数変換装置が動いている。

図4 東海道新幹線の路線と設備の分布 出典:JR東海

 現在は9台中6台が回転形、3台が先行導入された静止形だ。今回の取り換えでは神奈川県に位置する綱島FCと西相模FCの回転形をそれぞれ1台ずつ静止形と取り換える(図5)。綱島FC、西相模FCとも回転形が2台ずつ残り、大電流が必要なときに補助する形だ。

 綱島FCの工事期間は2014年度から2019年度、西相模FCは2015年度から2021年度である。

図5 周波数変換装置の配置 出典:JR東海が公開した資料を一部編集
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