蓄電池内蔵のパワーコンディショナー、停電に強い：蓄電・発電機器（2/2 ページ）

[畑陽一郎，スマートジャパン]

蓄電池も使う2つのモード

　平常時、安価な夜間電力を蓄電池の充電に利用したい場合は「夜間電力利用運転モード」を選ぶ（図3）。日中の太陽電池の出力が特定負荷を下回る場合は、蓄電池と太陽電池の電力を合わせて特定負荷を賄い、一般負荷では系統電力だけを使う。太陽電池の出力が特定負荷よりも大きい場合は、蓄電池は放電せず、特定負荷と一般負荷の一部を太陽電池が賄う。一般負荷の不足分は系統電力を使う。

図3　夜間電力利用運転モードの動作（通常時）　出典：GSユアサ

　「太陽電池電力充電運転モード」（図4）の動作は、夜間電力利用運転モードと似ている。違いは、太陽電池の出力が特定負荷を上回った場合。余剰部分を蓄電池の充電に充てる。それでも余った場合は一般負荷にも使う。夜間の動作も異なる。夜間電力を用いて蓄電池を充電するものの、完全には充電せず、翌日に太陽電池から充電する余地を残す。夜間の蓄電池充電量は設定可能。

図4　太陽電池電力充電運転モードの動作（通常時）　出典：GSユアサ

10年以上利用できる

　パワーコンディショナーへの太陽電池からの入力電圧（直流）は定格230V、最大360V。入力電圧が100〜250Vのときに最大電力追従制御（MPPT）が動作する。交流出力は単相3線で202V。

　パワーソーラーIIIでは、12個の蓄電池セルを内蔵する「LIM50E-12G」モジュールを利用した（図5）。「蓄電池のサイクル寿命は3700サイクル。1日1回充放電した場合は10年以上に相当する」（同社）^＊4）。放電深度が100％の場合のサイクル寿命だ。

＊4） どの構成の場合も放電容量は47.5Ah。4.2kWh品の場合は24セルを利用し、電圧が89V、24直列1並列構成である。8.4kWh品は48セル、178V、48直列1並列、12.6kWh品は72セル、266V、72直列1並列。

図5　LIM50E-12G蓄電池モジュールの外観　出典：GSユアサ

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