東京都は面積が狭くて都市部が密集しているために、離島を除くと再生可能エネルギーのポテンシャルは大きくない。固定価格買取制度の認定状況を見ても、バイオマス発電の導入量が全国で2番目に多いことが目を引く程度だ(図8)。都市部で発生する大量のゴミを処理施設で燃焼させて発電に利用している。
限られた再生可能エネルギーの中で、地中の熱を活用する試みも始まった。東京の新名所になった「東京スカイツリー」が先行事例だ。スカイツリーを中心に10万平方メートルの広さがある区域全体に、地中熱を利用した冷暖房システムを2012年に導入した(図9)。
地下に埋め込んだチューブを通して、冬に熱を取り込み、夏には熱を放出する。区域内には総延長2800メートルに及ぶ導管をはりめぐらして、地中熱で作った冷水と温水を各施設に供給している。地中熱を利用しない場合と比べてCO2排出量は約半分に減る。これも大都市には有効な地球温暖化対策である。
*電子ブックレット「エネルギー列島2015年版 −関東・甲信越 Part2−」をダウンロード
2016年版(13)東京:「全国から再生可能エネルギーを集める、バイオマスの電力に続いて水素も」
2014年版(13)東京:「水道から作る大都会の電力、太陽光・小水力・バイオマスの比率を20%に」
2013年版(13)東京:「東京産の電力300万kW創出へ、火力・太陽光・地熱・水力すべて生かす」
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