リニアモーターカーに続く超電導の活用、鉄道総研の描く夢小寺信良のEnergy Future(4/6 ページ)

» 2015年11月20日 09時00分 公開
[小寺信良スマートジャパン]

超電導ケーブルはシビアな電力環境で利用

―― 超電導とは、電気抵抗がゼロになる現象ですよね。現在の鉄道はほとんどが電力で動いていることを考えると、送電に超電導を使ったらどうかという話はないんでしょうか?

高井氏 あります。ただ、あの長大な電線を全て超電導ケーブルに置き換えるというのは現実的ではないですね。超電導ケーブルというのは、超強力な冷凍庫の中に電線を入れてやらなければいけないわけでして(図5)。

photo 図5 超電導ケーブルの構造。中心部と外周部に液体窒素を流して低温を維持する(クリックで拡大)

 ですから送電線の中の一部、非常に電力容量的に厳しいところにワンポイントで、1キロメートルや2キロメートルという形で入れることを目指しています。今実験では約300メートルですが、実際にどれぐらい必要かと言うと、変電所の間隔が一つの単位になるんですね。鉄道の変電所はこの辺ですと2〜3キロメートルに1カ所ということで、最初の目標はその長さです(図6)。

photo 図6 敷地内に敷設されて実験中の超電導ケーブル

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